複雑・ファジー小説

Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.47 )
日時: 2014/12/16 17:45
名前: モンブラン博士 (ID: CMSJHimU)

「許さんぞ、フレンチ!」

彼の拳がまたしても地面を抉り、亀裂を生み出す。猛禽類のような瞳の殺気は尋常でないほどの殺気を含んでおり、彼がどれほど怒りを爆発させているかがよく分かる。しかしながら、彼にとっては必要最小限度の攻撃だけを放ってくるところを見ると、どうやら本気で地球を破壊しようとしていない事が分かる。さすがは腐っても明王だけの事はある。

「ふ、不動さん、話し合いましょう!」
「……いいだろう。拳でとことん語り合って殺やる」
「なんでそうなるの!?」

フレンチはツッコミを入れながら、巧みなフットワークと素早い足で彼の繰り出すパンチを命がけで避けていく。けれど、彼は昨日の風邪が治ったばかりで無理な運動は禁物だったのか、とうとう道端にあった小さな石の欠片につまずいて転んでしまった。
もはやこれまで、と彼は不動に(どんな理由があるのか分からないが)往生される事を覚悟した。その刹那、ハニーの鋭いドロップキックが不動を強襲し、彼を怯ませることに成功させると、彼女はフレンチの前に立ちはだかった。

「ここからは私と博士が相手だよ♪」
「はぁはぁ……ふぅふぅ……ハニーちゃん、もう少しゆっくり走ってもよかったんじゃないかね」
久しぶりに走しって息を切らせた博士は、ハニーの横でペタリと尻餅をついた。
「ダメだよぉ、ポーズとセリフはちゃんと決めようよぉ」
「ごめん、疲れたから無理」

そのまま倒れ込んだ博士を見たフレンチは、

『倒れたら助っ人の意味ないじゃん……』

そんなフレンチと博士にお構いなく、ハニーはいつもの決めポーズとセリフを口にした。

「可愛いは正義、可愛いは愛、可愛いは平和……萌えの力で世界を救う、雷の魔法少女、ハニー=アーナツメルツただいま参上♪」
「相変わらずのあざとさだな」
「あ、あざといですって……許さないもんっ!サンダーレィイン!」

ハニーの電撃が命中したかに思えたが、彼はそれよりも早い速度で背後に回っていた。

「俺の速さを見くびるな」