複雑・ファジー小説
- Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.52 )
- 日時: 2014/12/20 20:00
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
海からホテルに帰ってきた博士は、帰り支度を始めた。この観光旅行は二泊三日であり、つまるところ、今日が最終日である。彼らはそこまで荷物を多く持っているわけではなかったので、ホテルを出るのにそれほど時間はかからなかった。旅は道連れとばかりに、アップルとフレンチも楽しかったらしく、予定を変更しホテルをチェックアウトして、彼らに同行することになった。
モノレールに乗って那覇空港へと向かう中、やはり美形揃いだけあって、乗客たちの視線を奪ってしまい、中には彼らに見惚れるあまり降りる駅を間違えた人までいたほどだ。ヨハネスとハニーはともかく、フレンチと博士は田舎暮らしなので、電車に乗ると言う経験があまりなく、ましてやそれがモノレール初体験ともなれば、上空から眺める景色がいかに彼らの胸を打つほど感動したかがわかるだろう。
空港についた彼らは小腹が空いたので、空港にある沖縄料理専門の食堂へ入った。
中へ入ると、自分たち以外客がいない事に気づいたヨハネスがポツリと言った。
「どうして毎回僕たちが来るお店はお客さんが少ないんでしょう」
「それは多分、お客さんが多いと食べる音や話し声で騒がしくなり、全く会話ができない事を心配した作者の思いやりだと思う」
「なるほど、これで昨日から考えていた謎が解けました」
「昨日から考えていたの!?」
驚愕するハニーとフレンチに、ヨハネスはコクリと頷いた。
『昨日から頭を悩ませる事なんだろうか……』
そんな疑問が彼らの頭を掠めるが、彼らはそれ以上気にしない事にした。
「ところで、何食べようか?」
博士の言葉にアップル以外は皆頭を悩ませる。
「沖縄で最後の食事ですからねぇ。最後の締めはやっぱり沖縄そばでしょうか」
「三枚肉入っているけど、大丈夫?」
沖縄そばを食べるというフレンチにヨハネスが心配そうに念を押すと、彼はハッとして、
「そうだった!はうぅ……食べたいのに」
彼が涙目になったのを見て、博士が三枚肉を食べると言い、フレンチは沖縄そばを注文する事にした。
「ヨハネス君は何を食べるのかな?」
「僕は全メニューです」
「「全メニュー!?」」
「どうせ食べるなら全メニュー味わいたいですから」
ニコッ微笑むヨハネスの発言に、アップル以外は彼の胃袋に戦慄を覚えた。