複雑・ファジー小説

Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.58 )
日時: 2014/12/23 20:21
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

博士達は食事を取った後、まだ時間があると言うので、それぞれ別行動を取ることになった。フレンチと博士は本屋へ、アップルは玄関口付近にある水槽を見に、ヨハネスは案の定の食べ歩き、ハニーはこれと言って行く当てもなく、適当にブラブラと歩いていた。
すると、運の悪い事に、ガラの悪そうな不良に出くわしてしまった。なぜこんな空港などに不良がいるのか、それは作者が用意したハニーに対する試練だからに他ならない。ハニーは当初鬼ごっこでもするかのように、逃げ足で不良たちをかく乱していたが、右も左も分からない空港の事、すぐに迷子になってしまい立ち往生しているところを不良たちに囲まれてしまった。
サンダーレインを発動しようにも、人数が多くては誤射する可能性もあり、安易に放つ事はできない。

「ヒヘへへへ……可愛い子ちゃん、鬼ごっこはもうおしまいだよぉ」
「やっと追い込んだぜ、イライラさせやがる!」
「哀しいねぇ。俺たちをかく乱したのは褒めてやるけど、生憎相手が悪かったなぁ〜」
「怨めしい…お前達、さっさとコイツを連れ出せ」

リーダー格らしき男が命じると、不良たち三人は一斉にハニー目がけて襲いかかってきた。もうダメだと思い彼女が目を瞑ったその時、彼女の背後から低音ボイスが響いた。

「……お前ら、お嬢さんひとり相手に大勢でかかるとはフェアじゃねぇなぁ」
その声に懐かしさを感じた彼女が振り向くと、そこには、彫りの深い顔立ちにがっちりとした体格の白いスーツに身を包んだ少年が立っていた。

「剛力(ごうりき)くんっ!」

ハニーは少年にぴょんと抱きついた。実は彼、剛力徹(ごうりきとおる)は遠距離恋愛しているハニーの彼氏である。

「フフッ——お嬢さん、また会えて光栄だ」

彼はキザな笑みを浮かべハニーを後ろにかくまうと、ギラギラと野生の殺気のある瞳で敵を睨む。

「悪いことは言わねぇ。さあ、怪我しないうちに帰った帰った」

彼はまるで猫を追い払うが如くシッシッと手の甲を相手に向けて振った。
それを見た不良の一団は、

「お前、僕たちを舐めてただですむと思うなよ」
「いきなり出てきやがって…イライラするぜ!」
「なんだわけぇ、お前。ひとりで勝てると思ってるわけ?哀しいねぇ」
「怨めしい……行くぞお前ら」

不良たちはハニーと剛力をぐるりと囲むと、四方八方から攻撃を開始してきた。