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複雑・ファジー小説
- Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.59 )
- 日時: 2014/12/25 18:32
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
剛力はわずか五秒で不良たちをパンチで倒すと、恐怖で尻餅をついたハニーに手を差し伸べ立ち上がらせる。彼女は彼の紳士的な態度に顔を赤らめつつ、彼に訊ねた。
「スーツで熱くないの?」
虚を突かれたからだろうか、予想外の質問に彼は思案する。そして歩きながら言った。
「お嬢さん、そこの見巣怒(ミスド)でドーナツでも食べませんか。俺がおごってあげますよ」
彼からハニーをデートに誘うのは非常に稀であったため彼女は驚愕したものの、顔いっぱいに笑みを浮かべ大きく頷いた。ハニーはかなりの甘党である。それを知っていた剛力の話題を変える作戦勝ちと言った方がいいだろうか。
やはり人気のドーナツ店だけあって、作者も客を抑えきれなかったのか、かなりの客が店の中でドーナツやコーヒーを飲んでいた。彼らはドーナツを取り、席につく。ハニーはドーナツを食べながら、彼と雑談する事にした。
「剛力君はどうして沖縄にやって来たの?」
「ちょっとした羽休め、バカンスですよ。真夏の熱い太陽に熱い海、そして大らかで優しい人々、俺は沖縄が大好きで、よく休暇に来るんですよ」
「すご〜い!剛力君ってお金持ちなんだねっ♪」
そう言われて、彼はニヒルに微笑むしかなかった。
彼が沖縄に来た本当の理由、それはたまたま商店街の福引券で当たったからなのだが、それだけはキザな彼の事、口が裂けても言えるはずがなかった。
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