複雑・ファジー小説

Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.6 )
日時: 2014/12/14 18:41
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

目が覚めたフレンチは、まだ夢うつつの状態であった。
周りを見渡しても、傍にいたはずの博士はいない。

『どこかに出かけたのかしら』

取りあえず、あまり気にしても仕方がないと考えた彼は、顔を洗いに洗面所へ向かった。そこで鏡に映った自分の顔を見た彼は、驚愕のあまり、大きく目を見開いた。彼の顔には博士がやったであろうと思われる落書きが、たくさん書かれてあったのだ。幸いそれは水性のマジックで書かれていたのですぐ落とす事が出来たからよかったが、これが油性だったら大変な事になっていた。

「全く、あの博士は……」

彼はため息をついた後、彼の本棚にある漫画を取り出して、彼が帰ってくるまで待つことにした。

「たっだいまー!」

その声と共に勢いよくドアが開かれ、博士が帰ってきた。彼は博士が帰ってくるなり、開口一番こう呟いた。

「その子、誰ですか?」

彼が優しく抱きしめていたのは、五歳くらいの金髪に緑の瞳、ミツバチの恰好をした大変可愛らしい男の子だった。

「ああ、この子ね。可愛いだろう?」
「それはそうですけど、まさか誘拐でもしてきたんですか!?」
「いいや。彼が私に懐いてついてきたのだよ。ハニー=アーナツメルツくんと言うらしい」
「なるほど……って、ハニーくんっ!?」

彼はその名前を聞いたとたん、仰天して飛び上がった。

「なんだかどこかで見たことがあるような気がしたら、この子、スターレスリングジムの会長さんのひとり息子ですよ!」

彼はポカンとした顔で答えた。

「スターレスリングジム?」