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複雑・ファジー小説
- Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.64 )
- 日時: 2015/01/11 12:07
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「フレンチ君、ついに完成したよ、私の新発明が!」
旅行から帰ってきて数日がたったある日の事、フレンチは博士の嬉しそうな声で半ば無理やり起こされた。
眠い目をこすって一階に降り、洗面台で顔を洗い、部屋に戻って服に着替えて、博士に言われるがままに外へ出た。
「うわぁ……」
普段あまり感嘆の声を上げない彼も、外に出て初めて分かる光景に、思わず自分の目を疑ってしまった。
「すごい!博士、これって、アニメとかでよく登場する巨大ロボですよね!?」
彼は今まで博士に対して抱いていた変態の感情をこの時ばかりは捨て去って、キラキラと輝く尊敬の瞳で見つめている。そんな彼を見て博士を頬を真っ赤にした。
その直後に博士がどんな発明をしたのか見ようと外に出てきたハニーも、家より大きな巨大ロボの存在には大興奮して大喜びする。
「すっご〜い!巨大ロボだ〜♪これに乗って悪の悪者を退治するんだねっ?」
すると博士は少し意地悪な笑みを浮かべ、
「残念だけど、この小説はコメディだからそれはないと思う」
まじまじと現実を突きつけられて、ガックリと落ち込むハニー。
落ち込んだ彼女の姿勢がなぜかスライディング土下座になっているのは、いつでもあざとさを忘れない彼女だからだろうか。
「残念だよぉ、悪者と闘いたかったなぁ……」
「いいんだよ。悪人がいないほうが平和的でいい」
博士の言葉を聞いたフレンチは、
『あなたはどちらかと言うと、変態度からして悪人に分類されるのでは……』
彼は改めて博士が制作した巨大ロボを見上げる。
それは長方形の薄い石のボディに丈夫な金属の手足と目がつき、見えるほど大きな字で『石敢當』と彫られてあった。
「これぞ私が開発したスーパーガードロボ、石敢當(いしがんとう)君だーッ!」
「「石敢當君!?」」
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