複雑・ファジー小説

Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.68 )
日時: 2015/01/16 08:08
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

「ここは……どこだ?」

薄らと目を開けたジュバルツ=ブラックロー将軍が見たもの、それはふたりの可愛らしい少年であった。

「おじさんは空腹で倒れていたんですよ。ここは、彼の家です」

ヨハネスがアップルを紹介し、彼がどのようにしてここまでやって来たのかをかいつまんで説明した。それを聞いた将軍は、立ち上がり、九十度の見事な角度の深々とした礼をして、

「きみたちに感謝申し上げる」
「そ、そんなにかしこまらなくてもいいですよ。僕たち子どもですし」

ヨハネスが微笑んで言うと彼はフローリングの床に腰を下ろして胡坐(あぐら)をかいて、

「ウム、それもそうだな」
「おじさんは、なんてお名前なんですか。名前が知らないと色々とコミュニケーションが大変なので」

すると、今まで無言だったアップルが彼を指さして目を見開いた。

「あっ、もしかしておじさんは、僕の好きな番組の前にやっている戦隊の敵役ジュバルツ=ブラックロー将軍だね!」
「妙に傷ついたが、その通りだ」

彼が頷くとアップルは瞳を輝かせ、彼の手をガッチリと握る。今まで子どもたちから嫌われた事しかなく、好かれた事がなかった将軍は嬉しさのあまり号泣してしまった。

「ありがとう少年よ、今この瞬間、私の苦労が報われた気がする」
「将軍が喜んでくれて、僕も嬉しいな。ところでお腹空いているでしょ、何が食べたい?」

彼の問いに将軍は渋い声で答えた。

「肉まん」