複雑・ファジー小説
- Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.72 )
- 日時: 2015/01/16 20:50
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
ハニーが菓子作りに専念している間、博士たちは最近作られたばかりの陸上競技場でランニングをしていた。
最近、博士の運動不足を指摘したフレンチが、彼を外へ半ば強引に連れだしたのだ。しかしながら、博士の足はまるでカメのように遅かった。
「ハア……ハァ……ま、待ちたまえ、フレンチ君」
「待つわけないじゃないですか。悔しかったら追いかけてきてください」
頭に赤いハチマキを巻いたフレンチは、彼にパチッと可愛くウィンクをして挑発しながらも、どんどん距離を引き離していく。彼は小さい頃からジャム職人である母からジャムの配達を任されていたので、自然と足が速くなっていた。
ちなみに彼の必殺技のひとつである営業スマイルも、この時習得したのだ。
彼はあまりにも博士の走る速度が遅いため、少しスピードを落とし、彼が追いつくのを待った。しかし、いつまで経っても彼が追いつく様子がない。どうしたのだろうかと気になった彼が背後を見てみると、博士の姿はそこにはない。
ふと、ここにきて初めて、彼は背中にかかる何か重い存在に気付いたのだ。
「……いい加減、僕から降りてくれませんか」
「やだ」
博士はまるで子供のように彼にだだをこねるが、それを彼が聞き入れるはずもなく、下ろされてしまった。そんな彼に、フレンチは呆れを覚える。
「全く、あなたはどうしてこんなに運動が嫌いなんですか!?」
「私は体育の成績はずーっと一だったからね」
体育座りをしてすっかりふてくされてしまった博士の過去を聞いて、少し可哀想に
思ったフレンチは、こんな事を提案した。
「僕と一緒に二人三脚しませんか?」
二人三脚とは、運動会でお馴染みの二人一組となり、隣り合う足を結んで息を合わせて走るアレである。これが運よく美少女とペアになったりすると一緒に肩を組んで走るだけではなく、さりげなくボディタッチもできるという、男子にとっては嬉しいおまけがついてくる。それに気づいた博士はぴょんと立ち上がり、これまでにないほど目を輝かせて、
「よし、やろう!」
いきなり積極的になった博士を見たフレンチは、
『一体この人はどこまで変態なんでしょうか……』