PR
複雑・ファジー小説
- Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.76 )
- 日時: 2015/01/17 17:25
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
将軍はひとり寂しく部屋に座っていた。何か読むものはないかと本棚を見る。
しかし、彼が好きなジャンルの成功本などはありそうにもなかった。
「暇だな……」
彼は唸り、再び腰を下ろすと、ゆっくりと部屋を見渡す。
りんごの目覚まし時計にりんごのルームライト、りんごのイラストの壁紙——この部屋の持ち主であるアップルは名前の通り、りんごが大好きな少年であった。
「りんごもなかなか悪くない」
彼はアップルの部屋に感心していると、ふと壁際に貼りつけられている写真立てに気が付いた。それにはアップルが北海道でスキー体験をした時の写真が入っていた。彼は、アップルやヨハネス、ハニーと触れ合ううちに心にある変化が起こり始めていたのだが、彼はその変化に気づくよりも早く、動物的直感で只ならぬ殺気の持ち主が住宅街付近に現れたことを察知した。
「この私に対する非常に強い殺気……よりによって奴が来たか。私はアップルとヨハネスの恩に報いるためにも、奴と闘わねばならぬ!」
彼はノートの一枚を破り、サラサラと若い人が使わないであろう万年筆で置手紙を書いて置いた直後、猛然と猛牛のように外へと飛び出し、その殺気を放つ人物の元へと向かって行った。
彼を敵視する人物とは一体誰なのか、それは前の話を読めば分かる。
PR