PR
複雑・ファジー小説
- Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.79 )
- 日時: 2015/01/17 21:08
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
スーパーから帰ってきたアップルとハニーはふたりで協力して、見事なアップルパイふたつを焼き上げた。その綺麗な焼き上がりを見たハニーは、
「うわぁ〜、これなら博士たちも絶対喜んでくれるね♪」
「そうだね。このパイは僕の目から見ても、すごく上手にできていると思うよ」
彼らは味見用にと焼いたパイを少し冷ました後、ナイフで切り取って食べてみる事にした。一口噛むとサクサクのパイ生地の触感と、まだ温かいりんごのジャムが口の中いっぱいにあふれ、幸せを作り出す。
「今まで食べたパイの中で一番美味しい!アップル君、ありがとう♪」
彼女は嬉しさのあまり、ぎゅっと彼を抱きしめた。彼はそれに愛くるしい顔を赤くしながらも、
「どういたしまして」
ふたりはこの時まだ気づいていなかった。アップルの部屋にいた将軍がいつの間にか何者かを止めるべく、決闘に向かって行ったことを。
ハニーがアップルの家から出て家に帰ると、ちょうど博士たちも汗だくで帰宅しており、おやつを食べるにはとてもいい時間帯になっていた。ましてや、それが運動をして帰ってきた後だとなおさらだ。
「「いただきま〜す♪」」
声を揃えてフォークでパイを指して一口食べる。すると、そのあまりの美味しさに感動したふたりは、泣きだしてしまった。ハニーは彼らにティッシュを渡しながら感想を聞く。
「美味しい?」
「実は僕、昨日までハニーさんが料理を作るのが心配だったんですが、このアップルパイの味は少なくとも僕が作るものより数段上をいっています!」
「素晴らしい!本当に美味しいよ、ハニーちゃん。この腕前はプロ顔負けだよ!」
「エへへ、ふたりともありがとう♪」
この時ハニーは実はアップルに手伝ってもらいましたとは、言いたくても言い出せなかった。
PR