複雑・ファジー小説

Re: 変態紳士と美少年助手の愉快な毎日 ( No.81 )
日時: 2015/01/18 13:43
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

ヨハネスは暇だったので、ブラブラと住宅街を散歩していた。何か自分の好奇心を満たすものはないだろうかと辺りを見渡しながら歩いていると、バス停付近で剣劇ごっこをしている大人ふたりに出くわした。

「ふたりとも何をやっているんですか?」

彼が訊ねるとジャドウは、

「見て分からぬか。俺たちは死闘をしているのだ」
「ヨハネス、ここは危険だ。離れていてもらおう!」

しかし、彼は逃げようとせず、ポップコーンとオレンジジュースを家から持ってきて、手ごろな映画とばかりにふたりの闘いを観戦し始めた。
闘いに熱を帯びたふたりは、徐々に移動していき、白昼堂々住宅街にある公園でまるで見てほしいと言わんばかりに戦いを繰り広げる。
その異様な光景に気が付いたハニーとアップル、博士とフレンチも集まってきて、ヨハネスを含めた五人の観客を相手に戦いをする羽目になってしまった事に対し、ジャドウは不満げな表情で敵に口を開く。

「俺の剣術は敵を倒すためにある。見世物などではない。トランプ手裏剣!」

彼は五十二枚のトランプを手裏剣のように敵に投げつけるが、それを全て綺麗に切断されてしまう。それを見た博士たちは手を叩いて歓声を送る。その声援に彼は、

「ならば、特別にこの技も披露してやろう」

彼は八体に分身し、敵に襲い掛かる。見事な分身術に博士は感心し、彼の事を知っているヨハネスに訊ねる。

「素晴らしい!今のどうやったかわかる?」
「蜃気楼を使ったトリックですよ。説明は面倒なので省略しますね」
「うーむ、技の仕組みはよくわからんが、とにかくすごい芸当だ」

それを聞いたフレンチは、

『わかならなったら意味ないでしょう。ヨハネス君なんかじゃなくて、僕に訊けばちゃんと解説してあげるのに……』