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複雑・ファジー小説
- Re: 虹至宝【キャラ募集一時終了】 ( No.17 )
- 日時: 2015/01/01 18:48
- 名前: kiryu (ID: nWEjYf1F)
猫又族が姿を変えるときには、丁度心臓の辺りから白く眩い光を発することで知られている。
今ジェシカから発された光はその特徴と見事に一致していて、だからこそアレンは慌てたのである。
ただ、数が少ない猫又族なので彼らについて知っているものは少なく、ナタリアもその例に当てはまっている。
2人がかりなら何とか止めれたのだろうが、何も知らないナタリアは呆然と首を傾げるだけで止めに入らなかった。
だから時は既に遅く、ジェシカは人間の姿になってしまった。
そして、人間になった彼女が発した開口一番の台詞といえば——
「もう、アレンのエッチ!」
——である。
言われて何かと思ったアレンは、暫くそう言われた理由が分からずに呆然としていたが、何かに気付くなり、すぐに耳まで真っ赤になってからその手を彼女から離した。
ジェシカが人間になる前、アレンは彼女の身体を抱きかかえていた。
その形は、両手で猫の前足の付け根辺りを持つように。
猫又族において、前足は人間の腕となる。つまりアレンがたった先ほどまで持っていた——否、鷲掴みにしていたものは、お世辞にも豊満とは言い切れない彼女の両胸であった。
「何勝手に人のおっぱい触ってるの!」
「いやジェシカ、俺はお前が人間になるのを止めようとしただけだ! あれほど町の中ではその姿になるなっつったのに!」
「いーじゃん誰もいないんだし」
「いるだろ! ナタリアさんがっ!」
とはいえ今このギルドにいるのは、ナタリアとアレンとジェシカのみ。それが不幸中の幸いだった。
「ず、随分と大胆な子だね……ジェシカちゃん、だっけ?」
「そだよー」
「そだよー、じゃねぇジェシカ。まず少しは恥じらいを覚えなさい。あと、すぐに猫になれ」
「ぶーぶー」
「うっせぇ!」
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