複雑・ファジー小説

Re: インビジブル 【オリキャラ募集中】 ( No.6 )
日時: 2015/03/29 04:16
名前: 雛 ◆iHzSirMTQE (ID: Bj/lm3Yj)

「お前ら座れー」
少ししてチャイムが鳴り、それと同時に男の教師が教室に入ってくる。
その声で教室内は静まり、生徒たちが慌てて自分の席に戻っていた。
「俺はこのクラスの担任の坂口真だ、よろしくなー。じゃ、先ずは自己紹介からするか」
真と名乗った教師は、黒板に白いチョークで名前を書きそう言う。
彼の気怠げな声が教室内を占め、名簿順に自己紹介が始まる。
 何人かの自己紹介が終わり、鈴木の番が来た。
彼は教師から名前を呼ばれると立ち上がり口を開く。
「えっと……。初めまして、鈴木良助です。趣味はゲームと……あっ、それだけです」
良助は自己紹介の途中、何かを考えて慌てて口を閉じ席に座った。
良助の様子を見て、後ろの少女は少し口角を上げる。
「じゃあ次、瀬野」
「はい……初めまして、瀬野千代と申します。趣味は読書と……人間観察、ですかね」
千代と名乗った少女は、立ち上がった時点からかなりの者が見惚れていた。
しかし、‘人間観察’と聞いてその場にいた全員が唖然とする。
良助は皆と同じように唖然とするが、千代を興味深そうに見つめる。
「じゃ、じゃあ次」
千代の言葉に教師すら驚き、我に返って慌てて自己紹介を進めていく。

 自己紹介が終わり、チャイムが鳴ると初日から授業が始まった。
生徒たちは皆怠そうにしながら授業を受け、合間の休憩時間には既に形成の完了したグループでそれぞれのしたいことをしていた。
 授業が全て終わり、教師が再び教室に着てホームルームを始める。
しばらく騒がしかった教室は自然と静寂を取り戻していく。
「明日は委員会と係りを決めるから、今配ったプリントの中からやりたいものを決めておいてくれ」
クラスの全員が委員会及び各係りの書かれたプリントを受け取り、それに目を移す。
チャイムが鳴り、教師が号令を終えると生徒たちは一斉に教室から出ていった。
良助も例外ではなく、その様子を観察しながらも教室を出て昇降口へ向かう。
「うわっ……。な、何……?」
良助が昇降口に着くと、そこには女子が沢山群がっていて黄色い声を上げていた。
その群れの中心には、茶髪の男子生徒がいて笑って女子生徒の相手をしていた。
「彼、入学式の時からかなり女子に人気なんですよ」
「うわ!? せ、瀬野さん……。そ、そうなんだ。何か、凄いね……」
良助は突然現れた千代に驚きながら、再び女子の群れへ目を移す。
そして、苦笑いして言葉を紡ぐ。
「僕の下駄箱……あそこなんだけど」