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複雑・ファジー小説
- Re: 【ウサギの田中君参:更新】カタテマ【短編集】 ( No.22 )
- 日時: 2015/05/23 13:35
- 名前: R ◆0UYtC6THMk (ID: J9PmynZN)
夜明けに沈む
「やぁ、こんばんわ」
時刻は深夜一時を回った頃、男は店に現れた。
見たところ齢は二十代前半というところか。
「あぁ、お客さん。そろそろ店を締めようかと思ってたんですよ」
そう言って私はノレンを外した。
「いや、いいんですよ。店を閉めるんなら一人の大人として酒の席に付き合ってもらえませんかね」
男は屈託のない笑顔を浮かべグイグイと店の中へ入ろうとする。
「いやいや、何言ってるんですかお客さん」
このお客、酔っているんだろうか。
それにしては、酒臭い匂いがしないな。
「変な話ですがね、大将。僕は今日の夜明けには消えて無くなってしまうんですよ。一人寂しく消えるのもあれなんで相手が欲しかったんです」
なんだやっぱり酔ってるんだな。
まぁ悪い人ではなさそうだし、こういう出会いを楽しむのもいいか。
「いいでしょう、お客さん。たまにはこういうのもいいですね」
そう言ってお客さんを店の中へ招き入れた。
続く
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