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複雑・ファジー小説
- Re: 【風の吹く街:更新】カタテマ【短編集】 ( No.29 )
- 日時: 2015/07/29 11:39
- 名前: R ◆0UYtC6THMk (ID: J9PmynZN)
「別に何か裏があるってことじゃないんだ。本当に好奇心に任せた上での行動さ。目障りならついて行くのはやめるよ」
少なからず目障りだと言われた時用の策はあった。随分と陰湿な手だけどね。
でも、意外なことにその策は使わずに済んだんだ。
僕がそう言ってから三秒ほど沈黙が流れた。僕にとってはこれ以上ないほど緊張する三秒が過ぎた頃、スイレンはおもむろに口を開いた。
「…………勝手にしなよ」
そう一言言ってスイレンは入口からは丁度死角となる屋上の右端フェンス際に座り込んだ。
僕はそこから近すぎず遠すぎずの同じくフェンス際に座った。
何気なく空を見てみると屋上に上がってきた時よりも少しだけ蒼が深まった気がする。学校の向かい側にある県立図書館から出てきた小鳥がこちらに向かってきてはまた遠ざかるを繰り返している。
スイレンに視線を戻してみるとコンビニで買ったらしいパンを食べている。
さて、僕も昼飯の時間とするか。
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