ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

ウサギの田中君


「何その頭？」

私は田中君に聞きました。

「見ての通り、ウサギだよ」

「いや、そんな事はわかってるけども」

「何か変なモノでも食べたのかい？君、おかしいよ」

「いやいや、変なものも食べてないし。おかしいのは田中君だしっ」

田中君は学校には通っているものの、いつも屋上で一日を過ごす変な人です。
高校二年生、秋も下旬を迎え冬を迎え入れるこの時期に田中君はおかしくなりました。
……もっとおかしくなりました。

「なんでそんなもの被っているの？」

田中君はウサギの着ぐるみを頭の部分だけ被っていました。

「被りたいから被ってるのさ。何かおかしいかい？」

「うん、おかしいね。田中君の頭がね」

色んな意味で頭おかしいよ……。
ウサギの田中君は表情を変えずに首を傾げました。

「別に悪いことじゃないだろう？あ、そうだ。君これから僕のことはウサギさんと呼んでおくれよ」

「……いや、いきなり性癖打ち明けられましても」

「ちょっと、勘違いしないでくれるかな。僕はウサギさんと呼ばれて興奮するような変態じゃないよ」

「その被り物してる時点で田中君の言葉に信頼性は皆無だから」

「全く、君は面白い人だな」

「別に面白くないです」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く(かも)