複雑・ファジー小説

Re: 古の秘宝-LIFE≠00-【キャラ募集開始】 ( No.20 )
日時: 2015/03/15 12:49
名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: nWEjYf1F)

 時は進み、同日21時。
 いつしか市民病院の周りには、警察や野次馬が勢ぞろいしていた。
 とある市民が、病院の上空をホバリングしてやまないヘリコプターに不信感を感じ、警察に連絡を入れていたのだ。
 それが今や、この様である。

「あーもー、面倒なことに」

 外の現状に気付き、ボソリと怨嗟の声を呟いたのは、香織や姫野との和解を試みていた東雲。
 久島はといえば、あの後東雲が放った鳩尾蹴りにより、廊下に倒れ伏したまま動かないでいる。

「何……警察?」

 香織、姫野、勇樹の3人も東雲に倣い、こっそりと窓の下を覗いた。
 数多の赤い光が目に痛い。盾を持った機動隊がいるところを見ると、人質をとられていると勘違いしているのだろう。
 実際に先ほどまでは、人質がとられていたも同然だったわけだが。

 呆れ顔で溜息をついた東雲は、香織たちの方へと向き直った。

「みんな、ここは一旦堪忍しとくれ……」

 縋るような彼女の表情に、三人は同意せざるを得ない。
 香織が頷くのを合図に、東雲は礼を言って後退する。
 向かう先は、相変わらず床に倒れたまま動かない久島。

「もー、どないしよ。ええ加減にせんと……」

 その後彼女が呟いた台詞の後半部分は、少なくとも縁起が良いとは言えなかった。

「微塵切りにするで……久島」