複雑・ファジー小説
- Re: 可能性の魔法使い ( No.6 )
- 日時: 2015/04/02 15:51
- 名前: 瑠璃玉 ◆ECj0tBy1Xg (ID: 3JtB6P.q)
第一講 : 奇跡を創る女
“ロータス像壊される 警察により犯人を捜査中”
“ジュデ・ユーベル氏 体調崩し記者会見現れず”
“町長選票二分 政権交代か?”
新聞にそんなタイトルの記事が並ぶようになったのは、俺たちがロータス像を壊した翌日のことだ。
しかしながらあのロータス像、俺達にとっては厄ものでも、町民にとってはれっきとした公共施設の一部なわけで。警察は器物損壊だと言って俺達を捜しているらしい。
だがまあ、見つかったところで俺達は捕まえられないだろう。法律が適用されるのはあくまでも人間、鳥を拘束して処罰する法なんぞ、未だかつて成立したためしがない。
全く、悠々としたもんだ。俺が寝込んでなければ。
「ちくしょう、薄らハゲだと思って油断してたわ……っうぇえ」
「飛んでる途中いきなり墜落すんだもんホントに。ビビったよオレ」
「っいてぇ……魔法使いを舐めくさりやがってぇえ……」
「噛み合ってない、全然噛み合ってない話が」
何を隠そう、あの後俺は、まんまと町長の罠にかかってしまったのだ。
若干要約の難しい話になるが——俺みたいな魔法使い、つまりイレギュラーなエネルギーを借りて魔法を使うタイプは、どんな奴よりも爆発力を持った魔法を使うことが出来る。だが、その分魔法として使われないエネルギーが著しく多い、と言うより、無駄に発散して消えていくエネルギーがほとんどだ。
無駄なエネルギー、即ち魔法として使われなかった可能性の爆発力は、また力脈の中に溶け、平穏な可能性の一部に変わる。そうなるまでの時間はほんの一瞬、俺だってそんなものの末路をいちいち考えることは滅多とない。そこに町長が眼ぇ光らせてやがった。
要するに俺は、俺がぶっぱした魔法の余波で、いきなり背中から殴り飛ばされたのだ。生きてたから良かったようなものの、これじゃあしばらく魔法を使うどころか、鳥として飛ぶのも覚束ない。
……まあ、だからこんな寂れた施薬院にいるわけだけど。
To be continued...
うんちくカラスのうんちく講座、はーじまーるよー
