複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ(500参照突破感謝!) ( No.104 )
日時: 2015/04/17 17:58
名前: ユッケ (ID: 2aIbLYIF)

「祐先輩! どうやってバジリスクって人を捜すでありますか?」

「現状、情報が無いから虱潰しに捜すしかないね。バジリスクの方も敵のアジトを捜してるだろうから、嫌でも目立つかも…となると、聞き込みによる目撃証言を得られるのがベストかも」

「真っ黒なダメージコート着た、アタシや祐と同じくらいの年齢の女の子だろ? 結構目立ってそうだけどな〜」

暫く聞き込みを試してみるも、成果は無く、とにかく街を虱潰しに捜すしかないという結論に至った。

雑居ビルの間を覗いてみたり、歩道橋から見渡してみたり、しかしこれも成果無く、街の中を移動しながら他のチームに連絡を入れてみる。

「駄目ね、怪しそうな場所を双葉の案内で捜してるけど、猫の子一匹出てきやしないわ」

「そう…分かったよ。くれぐれも気をつけてね」

「心配は無用よ。…でも、ありがと。じゃ」

レイラも出会った頃より心を許してくれているみたいだ。

こんな風に、少しずつでも仲良くなっていきたいと思う。

だから早くバジリスクを捜さなくちゃ!

よし、次は鈴也君に電話してみよう!

「鈴也君達はどう? 何か掴めた?」

「ちょ、丁度今…あの…“ミク”さんが…」

「テメェこら! 何か知ッてんだろォ! 吐けゴラァ!」

「何か聞こえるんですケド……」

「ちょっかいを出してきたヤンキーをのしてる最中です」

「二人とも怪我とかしてない?」

「はい、それは問題ないです———あ、ちょっと! ミクさん?!」

「いよォ! 三好かァ? ヤンキー兄ちゃんがよ、パワーを売ッてる“やつら”は“デビルアクト”ッつうチームだッて噂を聞いたことがあるッてよ。
それ以上は知らねぇみてぇだ」

「デビルアクトだね? 分かった。レイラ達にはこっちから連絡しておくよ。無茶はしないように、気をつけてね」

「了解だ大将!」

手に入った情報を早速レイラ達にメールで入れておく、すぐに返信が来て、レイラ達もデビルアクトについて調べるみたいだ。

「とりあえず、そのデビルアクトってのが怪しいんだな?」

「うん、火の無い所に煙は立たないからね」

「噂っていうのは、たまには山火事のように燃え盛るものさ。特に今回のような場合は…な」

雑居ビルの隙間から、スラッと背の高い男が煙草をふかしながら、突然僕達の話に入ってきた。

僕も赤菜を突然の事に驚き、みよりはサッと僕の後ろに隠れた。

「あ、あの…僕達に何か?」

「用があるのは一見俺のように見えて、実はキミ達なのさ、デビルアクトのアジトを捜しているんだろう?
案内してやってもいいぜ? 俺は暇だからな」

「ありがたいお話ですけど、僕達はその…一般の学生ですので…」

「ハハッ、俺は“こっち側”の人間だが、何も対価を求めている訳じゃない。俺は暇を潰しに来ただけさ。
さぁ、こっちだ…案内しよう…闇の中へ」