複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ(500参照突破感謝!) ( No.108 )
日時: 2015/04/24 18:50
名前: ユッケ (ID: R8hLByiS)

■パワージエンド■





工場の扉は開いていたから中が良く見えた。

だから何の作戦もない、ただひたすらに助けなきゃと思った。

「彼女から離れろ!! チンピラ!!」

「火傷じゃすまねぇぜ!」

工場内に突撃進入!

走りながら赤菜が炎を放ちまくる!

「うわぁあ! 火だ!」

「ヤベェよ鉄次さん!」

うろたえるデビルアクトのメンバー達、火に怯えているところを見るに、バジリスクの目を体験しているのだろう。

「せ、先輩! 宮本はどうすれば」

「みよりは隠れてて———ぐふッ!!」

みよりに振り向いていると、突然体に衝撃を受けて吹っ飛んだ! 地面に叩き付けられ、三回転ほど転がる。

「先輩!」

「祐! なろー!」

赤菜が炎を放つが、全て弾けて消し飛んでしまう。

これが見えない攻撃か!

「慌てるな。雑魚が増えただけだ」

鉄次と呼ばれたその男がおそらくリーダーだ。

「彼女を離せ!」

僕は立ち上がりながら言う。

「…み……よし…うぐッ!」

鉄次はバジリスクの頭を踏み付けて言う。

「お前ら蛇の仲間か? なら先にコイツの目の前で殺してやるよ! そういう事だ、テメェはおとなしくしてやがれッ!!」

「うぐぅッ! …ガハッ! …ゲホッ!」

鉄次がバジリスクを地面に押し付けるように衝撃を放つ!

「ヤメロォオオオオ!!」

すぐさま駆け出し、拳を握る! 僕は絶対にコイツを許さない!

「吹っ飛べ雑魚!!」

能力を受けた時点で、僕はこの能力を理解していた。

座標を設定して衝撃を生む能力。

それを僕が“超能力として”使う!!

「なッ!?」

走る! 前に向かって地面を蹴る瞬間に衝撃を加えて加速する!

鉄次の放った衝撃はさっきまで僕がいた場所で弾け、僕は加速しながら鉄次にあっという間に接近する!

「ぶっ飛べパーンチ!!」

握った拳に衝撃を纏わせぶつける!

鉄次は予想以上にぶっ飛び、鉄材にぶつかって止まった。

「ひぃッ! て、鉄次さんが!」

「こいつ、鉄次さんと同じ能力か!」

「うわぁあああああ!」

リーダーがぶっ飛ばされて指示を無くしたメンバー達が、次々に工場入口に向かって逃走をはかる。