複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ(500参照突破感謝!) ( No.109 )
日時: 2015/04/25 21:59
名前: ユッケ (ID: Xr5Y0osE)

「逃がしませんよ!」

工場の入口を10M程の鉄骨が突如として塞ぐ!

僕達に追いついた鈴也君が能力を使い、コントローラーで鉄骨を操り、入口を塞いだのだ。

流石は大能力者! その効果はパワフルだ!

「くそっ! あのガキを狙え!」

「能力者とか関係ねぇ! 数で押し切れ!」

今度は鈴也君にターゲットを向けるデビルアクトメンバー達、しかし、彼らは気付いていなかった。

この場にまだ能力者がいることに!

瞬間、彼らは誰一人としてその場から動けなくなる。

そして、彼ら全員が地面に伏してめり込んだ!

彼らに圧し掛かっているのは、超重力!

「はい、おしまい。あとは任せるわ。さっさと片付けなさい」

「銀髪ロシアンの、超重力! 地球に代わってオ・シ・オ・キ☆の時間です」

あいもかわらず、クミはクミで…。

「祐! 怪我してない?」

「先輩! かっこよかったですよー!」

音羽もみよりも、無事みたいだ。とにかくこれで全員集合。

「うん、二人とも怪我してないみたいでよかったよ」

「姉御!」

小春ちゃんが、ボロボロのバジリスクに駆け寄る。

「大丈夫だ…ぅ!」

小春ちゃんに支えられながらバジリスクが立ち上がる。

「大丈夫? 僕も肩を貸すよ」

バジリスクを僕と小春ちゃんで支える。

これで終わり、パワーを売り捌いていた売人グループ、デビルアクトは壊滅。あとは警察に任せよう。

「ふざっけんなぁああああああ!! 死ねぇえええええええ!!!」

鉄材が衝撃と共に吹っ飛び、鉄次が起き上がった!

手に握られているのは拳銃! 鉄次はソレを僕達に向けて間髪入れずに発砲した!

拳銃に気付いた皆が叫ぶ!

「祐ーーー!!」

「祐逃げろ!!」

「せんぱーーーーーい!!」

「三好ーーー!!」

「三好さん!!」

「三好さん逃げて!!」















直径5ミリの暗い穴は真っ直ぐこちらに向いていて、放たれた弾丸が一瞬で僕の体を————!!













世界が暗転したような感覚……。

僕を貫いたはずの弾丸は、まだ空中をこちらに向かって進んでいた。

発砲時に生じる熱で鉛がひしゃげて、歪な形になっている。

そんな鉄の粒はまるで止まっているかのようだった。

今なら防げる!

衝撃を生む能力を超能力として使い、衝撃の形をドーム状に設定し、僕やバジリスク、小春ちゃんを覆い守る。

衝撃によって弾かれた鉛は、誰も居ない工場の隅に向かって飛んでいった。

スローに見えていた世界が徐々に戻っていく…反撃を許すと危ないので、鉄次の拳銃を衝撃で吹き飛ばしておく!

不思議な感覚、時間が正しく刻まれているのが分かる。

「なんだったんだ…今の……」

「クソォ! テメェだけは殺す!!!」

銃を弾かれ激昂した鉄次がこちらに向かって突進してくる!

しかし、僕が彼の足元に衝撃を設定し、彼を転倒させる。

彼は今、僕達の足元に無様に転がっている。

「おい赤毛…火を貸せ」

バジリスクが赤菜に向かって言う。

「お、おう!」

赤菜は手に火を作り、バジリスクの隣に来る。

「見ろ!!」

バジリスクの視線が鉄次を捕らえる!

「ぁ…ぁぁ……ぁぁぁあああぁあぁあぁあ!!」

工場内に絶叫が響き渡る。

彼が目にしているものは、一体どんな光景なのだろうか、呼吸の仕方を忘れ、目に涙を浮かべて、最後には気絶してしまうような…そんな恐怖を目の当たりにしたのだろう……。