複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ(500参照突破感謝!) ( No.113 )
日時: 2015/04/29 20:55
名前: ユッケ (ID: 2nnbbVZM)

■今回の一件の後日談■




街に潜み、数多の人間を不幸にした麻薬パワー。

売人グループであったデビルアクトは僕達によって壊滅、そのまま警察に逮捕されたのだが…もう少し詳しく話しておこう。

僕達がバジリスクの本名を本人から聞き出して、ワイワイと笑っていたところに、“能力犯罪特務捜査班”という人達が来た。

5人の少数精鋭らしく、タイミング的には…パワーを栽培加工している組織を壊滅させるべく動いており、捜査の中でデビルアクトに辿り着いたが僕達が倒していたということらしい。

この能力犯罪特務捜査班の人達の中に、とんでもない人がいたのを語っておく必要がある。

「東雲 凛人(シノノメ リヒト)だ。まさかキミ達が三代が言っていた子達だったとは……」

そう、高い身長と引き締った身体、灰色の髪のウルフヘアーで落ち着いた雰囲気を感じさせるこの人物……実は……。

「東雲先輩のお兄さんなんですか!」

誰もがそう思った……。

「いや、三代は俺の“妻”だ」

「「「「「「「ぇぇぇええええええええええ!?!?!?」」」」」」」

そう、東雲先輩の旦那さんだったのだ!

東雲家に拾われた凛人さんは、先輩が16になった後結婚し婿養子に入ったそうで、「詳しい話は三代に聞いてくれ」と言って、それ以上には話さず任務に戻っていった。

とまぁ、そういう予想外の出会いもあった……。







出会いといえば、僕達をデビルアクトのアジトまで案内してくれたあの人は何だったんだろう?

気付いたら消えていて、名前も聞いてなかった。

そもそも何で僕達がデビルアクトを捜している事を知っていて、僕達に協力してくれたんだろうか?

なんだか胸騒ぎがするし、出来ればもう会いたくないと思ってしまう……何故だかは分からないけど、思い出すだけで寒気がする……気がする……本当に掴めない人だ。

まぁ、忘れよう…あんな人の事は、早めに忘れてしまおう。そうしましょう。






バジリスクこと七咲 千香ちゃんはというと……。

「や、ヤメロ! 触るな!」

「えへへへへへ! 千香ちゃん可愛いよーう!」

「姉御がー! 姉御がー! なでなでされてるッスぅぅぅ!」

僕達とたまに合流しては、音羽の餌食になっている。

音羽は、千香や小春ちゃんがいる日はとんでもなく調子が上がるので、僕達はより一層騒がしくなる。

「今日も今日とて、ユリリンヒロインに愛撫され官能に悶えるペタヤンなのでしたー」

「誰がだ!!」

ちなみに、ペッタンコヤンキー略してペタヤンはもう定着してしまっていて、千香自身ももう訂正は不可能と諦めている。

「いやー、今日も平和だね〜」

「ですです!」

「だよな〜!」

僕達はのんびりと平和を噛み締めて…。

「そう、そこに代入すると答えが出るわけ」

「なるほど…ということは…この問題は応用で…」

レイラ鈴也組は結構仲良くやっている。

意外にも面倒見が良いレイラが、鈴也君に勉強を教えている。

レイラが一番仲が良いのが、実は鈴也君だったりする。

勉強とかで気が合うのかな?

「イエデターと銀髪ロシアンはマグロの目玉でも食ってるがいいです」

「プラチナブロンド!」

「変な呼び方しないでください!」

いや、振り回され同盟だきっと…。

「おい、三好」

「ん、何? 千香?」

「本名を呼ばれるのは、まだくすぐったいな…。お前には…その…なんだ…感謝…してる」

「うん、馴染めてきたみたいで良かったよ」

「……それだけ言っておきたかった」

少しずつではあるけど、千香も僕達に馴染んできたみたいで、言葉使いは乱暴だけど、それが千香らしくていい感じ。

音羽の暴走には参っているが、僕達といるのは居心地がいいみたいで、たまにでも顔を出してくれるのは本当に嬉しい。

千香はこれからも東能力学区の闇を統治するだろう。

それでも、僕達と一緒にいることで、彼女の心が、過去が、安らげばいいと思う。

いつか、彼女が心から笑っているのを見れる日も来るかもしれない…。

それが今から楽しみだ!












「……ウチの姫さんも困ったもんだ…」

男は真っ暗な店内で、煙草を捨てながら言うのだ。

「なぁ…そう思うだろ?」

ヒト1人分の血液が床に撒き散らされ、誰かが命を落としたのだ。

男は店を出て、ドアノブに掛けてある木板を後ろ手に引っくり返す。





CLOSED