複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ(参照1000突破感謝!) ( No.118 )
日時: 2015/05/14 20:32
名前: ユッケ (ID: a6Ny8FKk)

凛人が落ち着き、医者が診察を始める。

足の傷が少し良くないようで、念入りに診察している。

「暫くは安静にしようね。足の傷口からばい菌が入るとマズイからね」

「……」

「ねぇ、あなたお名前は? 私は東雲 三代っていうの」

「……才場 凛人」

「凛人か、かっこいい名前ね」

「凛人君か、キミの話を聞かせてほしいんだけど、大丈夫かな?」

凛人は医者先生の言葉に小さく頷く。

それを見た先生は病室を一旦出て、1人の男を連れて来た。

いたって普通の人ではあるが、先生が連れてきた彼は警察官なのだ。

制服では緊張するかもしれないので、普通の私服で来ている。

「私は兵藤 輝明(ヒョウドウ テルアキ)。よろしくね、才場 凛人君」

「……」

「凛人君はどうしてあんな山奥に居たのかな?」

「逃げてきました……」

「どこから?」

「天使の園っていう孤児院です」

「天使の園……なぜ逃げてきたんだい?」

「園長先生が俺達を売ろうとしてたから」

「何だって?! いや、すまない。園長先生の名前は?」

「澄由 誠太郎」

「逃げたのはキミだけ?」

「はい、皆にも言ったけど…信じてもらえなかった。皆は…空は…!!」

「これから、現場に行ってみるよ。凛人君、辛い話を話してくれてありがとうね」

そう言って輝明は足早に病室を出て行った。






「凛人……」

俯く凛人を三代が心配そうに見つめる。

「皆は…空は…もう…」

「さっきの人は多分警察の人よ。日本ではね、悪い事をしたら絶対に捕まっちゃうのよ。だから大丈夫よ」

「そうだよね……きっと……」