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複雑・ファジー小説
- Re: 超能力者の落ちこぼれ(参照1000突破感謝!) ( No.120 )
- 日時: 2015/05/21 00:59
- 名前: ユッケ (ID: ID28wqen)
■兎の悩み■
パワーの一件は決着した。
デビルアクトを操っていた大本の組織は、凛人さん達の活躍によって壊滅したそうだ。その事は表沙汰にはなっていない。僕達が関係者であるから伝えられた事だ。
その時に東雲先輩から凛人さんの事を聞いた。
つくづくこの世界は呪われている。
そう思うのは、パワーを慎也さんに服用させたのがデビルアクトのリーダー野上 鉄次であり、同じ大学の生徒であったからだ。
無能力者の慎也さんの理想を利用して、パワーは街に蔓延って行った……呪いは伝染して、世界ごと呪う。
誰かが誰かを呪って、また誰かが誰かを呪うのだ。
僕達は今、パワーの一件が決着し訪れた安息を噛み締めている。
夏休みに入って僕達は毎日のように溜り場で遊ぶようになった。
溜り場というのは、千香が例の一件のせめてものお礼だと、教えてくれた廃ビルなのだが、屋上は風が涼しく、中は陽当たりがいい。夏だしここから花火を見るのも悪くないかもしれない。
そういったわけで、僕達は東能力学区にひっそりと佇む廃ビルでまったりと過ごしている。
千香と小春ちゃんはたまに顔を出す。色々と忙しいそうだ。でも時間を作って僕達に合流してくれる辺り、かなり打ち解けてきたんじゃないかな。
「ですから! 僕はもう家出少年などではないです!」
「ではイエデテターと呼びましょう」
「過去系!?」
鈴也君はちゃんと西能力学区の家に帰っている。
家出している理由も無くなったし、お父さんともちゃんと話をしたそうだ。
「イエデテターってなんか噛みそうね」
「プラレラペロンド!」
「プラチナブロンド!」
クミは今日も絶好調で、レイラも僕達と一緒にいるのが居心地がいいようだ。
「相変わらずお前は髪をイジるよな」
「今度から赤毛ダンサーと呼びましょうか?」
「何か曲名みたいね…」
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