複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ(参照1000突破感謝!) ( No.125 )
日時: 2015/06/05 00:55
名前: ユッケ (ID: FcawQHWv)

ハンチング帽を被り直した湯ノ沢さんが手帳とペンを取り出して僕達の事を見渡す。

「じゃあ早速取材させてもらえないかな? キミ達はここで何をしているんだい?」

「これからUFOを呼ぶ為の儀式を執り行う所でした」

すかさずクミが前に出る。

突然のクミさん節に湯ノ沢さんは戸惑っているようだ。

「任せて大丈夫なの?」

「大丈夫……だと思う」

「まあ、クミに口で勝てるやつなんてそういないだろうぜ」

「でも、どうやってあの湯ノ沢さんに帰ってもらうの?」

「何を質問しても無駄だと思わせるか、いっそ……」

「こっちが帰っちゃうか…ですね」

「じゃあそれでいきましょう。宮本と三好だけ逃がせればいいわね?」

「UFOおいしいですね。湯ノ沢さんも食べますか? ホレ」

「ヤキソバの話?! あれ? UFOってヤキソバの話?!」

「さ、今のうち!」

どうやってこの廃ビルの屋上から湯ノ沢さんに気付かれずに下まで降りるのか……方法はひとつ!

レイラの重力操作で無重力を作り出して脱出する!

気付かれないように、みよりを抱えてゆっくりと下へ降りる。

クミが上手く湯ノ沢さんの目を引き付けてくれたお陰で逃げ切ることが出来た。

地面に降りると急いでみよりの手を引いて廃ビルから離れた。

「先輩……やっぱり宮本は……先輩達と一緒にいない方がいいでありますよ」

「そんな事、僕達は誰一人として思ってない!」

「でも! 宮本があの人に尾行されてこんな事に!」

「それは偶然みよりがターゲットになってしまっただけだよ。 本当に偶然なんだ! これは仕方の無い事で……———」

何で今、こんな事を思い出してしまったのだろう?

僕が寝ている間に見た悪夢……。

『8月3日。宮本 みよりを尾行する者が溜り場に現れる』

偶然じゃないのか?

まさか……そんなバカな……!

じゃあ、その続きは?











『8月6日。溜り場に誰も来なくなる。』