複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ(参照1000突破感謝!) ( No.128 )
日時: 2015/06/10 04:32
名前: ユッケ (ID: z0eXS2GZ)

■兎の壊れていく日々2■






廃ビルから逃げた先は南能力学区にある、みよりとその姉、美香(ヨシカ)さんの住む家だった。

みよりには身支度をしてもらっている。

なにせ、みよりは家がバレていて最も危険な状況にある。美香さんへと飛び火する事も考えられる。

そこで、みよりに暫くの間、僕が借りている部屋に泊まってもらう事にしたのだ。

本当は女の子で一番みよりが信頼している赤菜に頼もうと思ったのだが、あの夢が脳裏をよぎった…………【8月7日。宮本 みよりに連絡がつかなくなる】

もしこれが本当に起こりうる出来事ならば、みよりを安全な場所に避難させ、かつ目の届く範囲である僕の部屋が匿うには一番最適だった。

「準備できました」

「よし、じゃあ行こっか」

移動中に音羽に電話をして状況を尋ねてみた。

「こっちは大丈夫。湯ノ沢さんは次の仕事があるって言ってもう帰ったよ」

「多分僕達を追ってるんだ」

「うん、祐とみよりちゃんが居ない事気にしてたみたいだからきっとそう。それでね、レイラちゃんから提案なんだけど……あ、待って、レイラちゃんに代わるね」

「三好、この溜り場は暫く破棄した方がいいわ。事態が落ち着くまで、私達も解散しましょう」

「……『8月6日。溜り場に誰も来なくなる。』か」

「ん? 何?」

「いや、なんでもないよ。溜り場を使わない方がいいのは僕もそう思う」

「じゃあそういう事で、アンタも宮本も、一番危険なのはアンタらなんだから、気をつけなさいよ」

「うん、ありがとう」

電話を切って端末をポケットの中へしまう。

「溜り場……使えないでありますか?」

「大丈夫、すぐにまた使えるようになるさ。落ち着いたらまた皆であの場所に集まろう」