複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ(参照1000突破感謝!) ( No.136 )
日時: 2015/06/28 21:18
名前: ユッケ (ID: HHprIQBP)

切れた電話をポケットにしまいながら湯ノ沢が戻ってくる。

覚悟を決めて…何を踏み台にするのかを決めて…。

「みよりちゃん…キミは能力者だよね?」

「え…あ、あの…」

「キミの周りで超能力者っているよね? この画像に写っているのはキミ達だよね?」

プリントアウトされた画像には、後姿ではあるが廃工場で能力を発動させている人物達が写っている。

三好祐達がデビルアクトと戦った時の姿である。

「超能力者の落ちこぼれ……この中にいるんだよね? 彼? それとも彼女? それとも…キミなのかい?」

「し、知りません! 私達じゃありません!」

「あの溜り場に行ってキミ達と出会った時、確信したよ。この画像に写っているのはキミ達だ! 誰が超能力者だ! 誰が落ちこぼれと言われている噂の人物なんだ!」

宮本みよりに湯ノ沢が詰め寄り、肩を掴む!

「いやっ!!」

「痛っ!」

宮本みよりから電気が流れて湯ノ沢が手を離す。

「キミ達の誰かのはずだ! アイツはそう言っていたんだ!」

「ひっ!」

「うぉおおおおおおおおおおお!!」

「ぐあっ!!」

再び詰め寄ろうとした湯ノ沢の体に何かが思いっきりぶつかって、湯ノ沢はゴロゴロと地面を転がった。

「みよりから離れろ!」

「先…輩っ……!」

三好祐が地面に転がる湯ノ沢を睨みつける。

「お前…! 三好祐!」

「湯ノ沢さん…アンタ何やってるんだよ! みよりは嫌がってる、僕達も日常を壊された…それが記者なのか!」

「お前に何が分かる! 人が雑誌に求めているのは話題だけだ! 俺の記事はもう必要とされてないんだ! 積み上げてきた物が崩れていくんだ…キャリアも、家族も、俺自信も、守っていかなきゃいけないんだ!」

激昂の湯ノ沢が三好を殴りつける!

「ぐっ! あがっ!」

「子供に何が分かる! 子供に大人の何が分かるんだ!!」

「ぐふっ!」

三好祐に勝ち目は無い。

ただ暴力を受け、耐えるだけだ。

三好祐は超能力者だ。“受けた能力を超能力として使う”

だから勝ち目が無い!

湯ノ沢通は無能力者だ。加えて大人だ。

三好祐は何か格闘技を習っていたわけではない。

だから単純に、大人には体格的に勝てない。