複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ(参照1000突破感謝!) ( No.138 )
日時: 2015/07/01 21:16
名前: ユッケ (ID: NINBOsI.)

■今回の一件の後日談■




今回も、後日談を話しておこう……いや、しかしこれは後日談などではない、始まりの話だ。




ともあれ、先に話しておこう。

僕達の日常は元通りに戻った。

みよりは、日常と僕達を守る為に子供である事を貫いた。

湯ノ沢さんは、確かに大人だった。

家族と、仕事と、自分を守る為に、他人を踏み台にしようとした。

みよりも、湯ノ沢さんも、どちらも正しいのだ。

ただ、子供であることを貫いて、少しだけ成長したみよりが、僕達を守ってくれたのだ。

「じゃじゃーん! どうでありますか! この見事な目玉焼き!」

「うん! 形は崩れてなく、それでいてイカゲソも生えていない! 完璧な目玉焼きだよ!」

「召し上がれい!」

「いただきます!」

これはとある朝食の風景だ。

僕に朝食を作ってくれたみよりの話。

みよりは、案外なんでもやってのける子なのかもしれない。

みよりの作ってくれた美味しそうな目玉焼きを早速いただく。

「ん…」

卵の殻だ……うむ、カルシウム…カルシウム…。

まだみよりは子供だ。

もちろん僕もだけど。

彼女の悩みは、ひとまず解決したようだ。













「たしか……この辺り……」

湯ノ沢さんの一件が解決してからすぐ、僕の携帯に、差出人不明のメールが届いた。

メールには日にちと時間、場所が指定してあって、正直無視しようかとも思ったのだが、湯ノ沢さんの一件もあるので、皆には内緒で来てみたのだ。

「……あれ? 千香? …とあなたは!?」

メールに書いてあった場所に来てみると、千香ともう1人、デビルアクトのアジトに案内してくれたあの男の人がいた。

「三好っ! なぜここにいる?!」

「えっと…変なメールが来て…」

「やあ、三好祐。キミをここに呼んだのは俺だ」

「なんだと!? キリエきさま! 何を企んでいる!」

「キリエ……」

千香は僕に言っていた。「お前達は必要以上に闇を覗いているから忠告しておく、キリエにだけは近付くな」と

闇よりも巨大な闇。

絶対に出会ってはいけない人物。

「鷹東 キリエ(タカトウ キリエ)だ。よろしくな。異端の超能力者、三好祐」