複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照1500突破感謝!オリキャラ募集! ( No.143 )
日時: 2015/07/19 22:31
名前: ユッケ (ID: ZfgN7XgD)

■A‐KISS■




散々変り種アイスの品評会をして、陽も暮れ始めたので今日の所はお開きとなった。

音羽と同じ帰り道。

音羽とは学校からも溜り場からも一緒に帰るから、ほとんど毎日一緒に行動している気がする。

「ねぇ、公園でクレープ食べない? アイスのお口直しに」

「もうすぐ晩御飯だよ?」

「もお〜、祐ってばお母さんみたい」

「ええ!?」

「あははっ! ほら、行こうよ! ギリギリやってるよ!」

「うわあああああ!!」

音羽に手を引っ張られて走る。

公園に入ると、まだキッチンカーがあり中から甘い香りが漂っていた。

「セーフ!」

「こんな時間までやってるんだね……あれ?」

「どうしたの? 祐?」

公園のベンチに目をやると、小さな女の子がベンチに1人で座っていた。

陽も暮れ始めているからなんだか心配だ。

「僕、ちょっと話しかけてみるよ。こんな時間に…心配だ」

「うん」

こんな時間に小さな女の子が1人でいるなんて危ない、みよりを必死に捜したあの時を思い出す。

ベンチに座っている少女は、クリーム色の髪に片目が隠れていて、後ろ髪は長く、肌の白い細身の女の子だった。

「ねぇキミ、早く家に帰らないと危ないよ?」

「…………私は大丈夫、お兄ちゃんは?」

「えっと、僕は高校生だから」

「お兄ちゃんは高校生なのね…………フフ…わかってたけど」

「僕ってちゃんと高校生に見えてるんだな〜。僕は三好 祐。キミは?」

「……アリス。こう見えて15歳」

「え! うそ!」

アリスちゃんは見た目はどう見ても、ギリギリ中学生に見えるか見えないかといったところだ。

たぶん、同じ中学生のみよりも鈴也君も年下だと勘違いするだろう。

「私の事、変?」

「いや、そういう訳じゃないんだ。ごめん」

みよりが成長に悩んでいたように、アリスちゃんもまた成長に悩んでいるのかもしれない。

そう思ったのだが……。

「フフ……結構気に入っているの。見た目と違うのって嫌い?」

「そんなことないよ。アリスちゃん可愛いと思う」

「そう…………良かった…………ちゅ」

「……!?!?!?」

「時間だから行くね……今日はお兄ちゃんに会えて嬉しかった」

アリスちゃんはそのまま陽が落ちた暗い公園に消えて行った……。

「祐〜〜! あれ? あの子は? 三人分買ったのに〜」

「あああ! えっと〜、中学生だったよ! もう帰るって!」

「ふ〜ん……え!? 中学生?! みよりちゃんより年下だと思ったけど……」

突然の事に思考が追い付かない。

とりあえず、黙っておこう……。うん、そうしよう……。