複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照1500突破感謝!オリキャラ募集! ( No.151 )
日時: 2015/10/21 00:46
名前: ユッケ (ID: Pi8kpTE6)

「では早速、イカ焼きから制覇していきましょう」

クミはそう言ってイカ焼きの屋台へ……。

「日本人はイカ好きよね。ロシアじゃ生では食べないわ」

レイラが呆れ顔で、イカ焼きを買うクミを見る。

「イカやタコを生で食べる文化ってなかなか無いよね」

「日本人がおかしいのよ。しつこくナンパしてきて、ロシア語しか喋れなくてロシア語で返したら“ガイジン”を連発してきやがったわ。あー思い出しただけで腹立つ」

「ではクミさんが“イカヤキ”を連発してやりましょう。イカヤキイカヤキイカヤキイカヤキ〜」

「ほらレイラちゃん、たこ焼きだよ〜。タコヤキタコヤキ〜」

いつの間にか音羽までクミの悪戯に混ざっていた。

「おおう、珍しいコンビだ」

「こいつら…潰してやろうかしら」

「えへへ〜、ごめんごめん。はいコレおいしいよ」

クミはともかくとして、音羽はフォローが上手い。

買ってきた焼きそばをレイラに渡してワイワイと話を始めた。

「先輩!先輩! こちらへ! お早く!」

ツンテールをピコピコと動かしているみよりが僕の袖を引っ張る。

「どこへ行くのさ?」

「射的屋台であります!」

射的屋台の前で鈴也君と赤菜が待っていた。

しかも赤菜は射的用の銃を担いでいる。どうやら挑戦するようだ。

「あ、来ましたよ。緋色先輩」

「ニヒヒ、鈴也もよ〜く見ておけよ? 私の銃さばき!」

「やぁ赤菜。ベル・スター? それともカラミティ・ジェーン?」

「OK牧場の決闘! ワイアット・アープだぜ!」

「男だよ?」

「細かい事は…気にすんなッ!」

赤菜が銃を撃って、コルクの弾がお菓子の箱を直撃し倒す。

「おおっ!」

「まだまだ!」

片手に持っていたコルクを素早く銃口に装填、一瞬で照準を合わせて引き金を引くと、再びお菓子の箱を撃ち抜いた。

「これでラストッ!」

もう一度同じ動作、素早く装填! 引き金を引いてお菓子の箱を倒した。

「いや〜、参ったねお譲ちゃん」

3発のコルク弾できっちり3つの景品をゲットした赤菜に、屋台のおっちゃんも驚いていた。

「ホレ、みより、鈴也」

ゲットした景品を1つずつみよりと鈴也君に渡す赤菜。うん、お姉ちゃんだ。

「ホラ、祐。これやるよ」

「いいの?」

「アタシはいつでも取れるからさ」

「じゃあ、せっかくだからもらっちゃうね。ありがとう」

「おう!」

赤菜の取った景品の最後を受け取る。

とは言っても、女の子に景品を貰っちゃってそのままってわけにはいかない。

「お礼に何か奢るよ。何がいい?」

「え? いいのかよ?」

「うん、何でも良いよ」

「じゃ、じゃあ…甘えてやろうかな! おお! ケバブあるぜ! ケバブ!」

「ドネルケバブをピタパンでロールしてあるのか」

これならクレープのようにして食べられる。

こういう屋台では珍しい食べ物ゆえに考えて作られている。

1つ買って赤菜に渡す。

「はい、どうぞ」

「お、おう…サンキュな」

今日の赤菜は浴衣だし髪もいつも以上にキレイにセットしている。

そのせいか僅かに見える小麦色の肌が目を引いてしまう。

食べ物や口に掛からないように、前髪を耳に掛けながら一口……。

「な…何見てんだよ……///」

「ああ、いや…その…似合ってるな〜って…アハハ」

「!?…/// ぁ、ぁりがと…」

赤菜が顔を真っ赤にしてしまった。

「これは……! 赤菜先輩…そういう事だったのでありますねー!」

「ええ! 今頃気付いたんですか?」

「気付かなかったですよ〜」

「宮本さん……」