複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照1500突破感謝!オリキャラ募集! ( No.154 )
日時: 2015/07/30 20:50
名前: ユッケ (ID: ZfgN7XgD)

それから暫く赤菜達と屋台を周っていると、千香と小春ちゃん、東雲先輩が一緒にいるのが見えた。

それって……なんだかマズくないかな?

いや、浴衣を借りてる時点で大丈夫なんだけど……東雲先輩の旦那さんはあの凛人さんで……千香は裏社会でバジリスクと呼ばれる大物だ…。

何か話をしているようだが、祭りの賑わいで全然聞こえない…気付かれないように近付いてみよう。

「千香ちゃん、何か食べたい物ある?」

「千香でいい。それよりいいのか? 私の事は知っているんだろう」

「あ、姉御は悪い事はしてないッス!」

「ええ、分かっているわ。安心して、小春ちゃん」

「おお、理解ある人ッス!」

「勿論よ。私は能力学区全体の幸せを願ってる。東雲グループはそういう会社よ。
千香達は私達の手の出せない裏社会の秩序を守ってくれている。
凛人もその事を分かっているし、彼も親に捨てられた身よ。話をしてみれば結構分かり合えるんじゃないかしら?」

「フン…どうだろな……」

「もぅ…素直じゃないんだから……可愛い浴衣着たままカッコつけても、可愛いだけよ?」

「っ〜〜〜〜/// こんのっ…! 脱ぐっ! 今すぐ脱ぐ!」

「あああああ姉御! 脱いだら駄目ッスーーー!!!」

浴衣を脱ごうと暴れる千香に、必死で止める小春ちゃん……とクスクス笑ってる東雲先輩……。

先輩も悪ノリを始めるとクミくらい厄介かも。

そんな三人に近付いていく男が2人見えて、何だか嫌な予感がした。

目的はおそらくナンパ……そんなの千香が殴らないわけが無い!

先輩の前で暴行事件は絶対に駄目だ!

「ねぇねぇキミ達、一緒にお祭り周らない?」

「お姉さん達キレイだね〜、花火もあるしさ、俺達と一緒に見ない?」

「き…さ…ま…ら〜〜〜」

「姉御! 抑えて!抑えてッス!」

「やぁ千香! お待たせぐふぅッ!!!!!」

「なっ! 三好!?」

寸でのところで割って入り、事無きを得た。

千香のボディブローを喰らったけど…ぅぅ…。

「なんだ、男連れか」

「行こうぜ」

なんとか男達は退散してくれた。

「ハハハ…良かったぁ〜〜〜」

「……す、すまん!」

「大丈夫だよ。それより、何事も無くて良かったよ」

「ぅ…私は悪くないからな! 私に言い寄ってくるのが悪いんだ!」

「それでも殴っちゃだめ! わかった?」

「む……わかった…我慢してみる……」

「うん、いい子だ」

「フン! い、行くぞ小春!」

「は、ハイッス!」

そう言って千香は小春ちゃんと一緒に足早に祭りの人混みに消えていってしまった。

「ああ! 待って〜! 三好君、男だねっ!」

先輩が千香を追って僕の横を通り過ぎる瞬間、ウィンクしながらそう言って去っていった。

なにはともあれ、千香達と先輩は大丈夫そうだ。