複雑・ファジー小説
- Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照1500突破感謝!オリキャラ募集! ( No.155 )
- 日時: 2015/08/06 18:21
- 名前: ユッケ (ID: bJEvzJQ7)
「三好、何してんのよ?」
呼ばれて振り返ると、声の主はレイラだった。
「さっきまで東雲先輩と、千香と小春ちゃんがいたんだよ。千香は放っておくと色んな意味で危ないからね。
レイラは? 1人?」
「一乗寺が食べ物屋台を全制覇するって言って、飛び出して行ったのよ。千年も一緒に行っちゃったわ」
「そっか、じゃあ花火までまだ時間もあるし、2人でお祭り周ろうか」
「しょうがないわね。じゃあ独りぼっちの三好と一緒に、エリートの私が祭りを周ってあげるわ」
「あはは、ありがとう。そう言えば僕、赤菜から貰ったお菓子しか食べてないや。レイラは食べてるの?」
「いいえ、私も千年に貰った焼きそばしか食べてないわ。適当に周って食べ物買いましょう」
「オッケー、じゃあ、行こうか」
目的も決まって、一緒に祭りを周るのだからと思い、何気なく手を差し出す……。
差し出してから気付いた。これって色々気まずいのではないかと!
「あら、男らしいとこもあるじゃない」
僕が勝手にそう思っただけで、レイラは何の抵抗も無く僕の手を握った。
これは外国の習慣の成せるものなのだろうか?
手を繋ぐという事に何の躊躇いもなかった。
レイラの手は自分の手よりも若干体温が低く、少しひんやりとしていた。
ドキドキしながら屋台を周って、食べ物を買うと、丁度いい場所にベンチがあったので、祭りの賑わいから少し離れて、僕とレイラは買ってきた食べ物を食べることにした。
「うん、こういう場所で食べる粉物って格別かも!」
「まぁ、たまにはいいわね。普段食べないし」
「そう言えば、レイラの普段って全然知らないかも。レイラって自分の事あんまり話さないし、中央能力学区で一番張ってるっていうのも鈴也君から聞いたくらいだし」
「私は…………そうね、ロシアに本家のある“レオンチェフ”一族の最後の希望。没落貴族のレオンチェフ家の再興を任されたのが私、レイラ・レオンチェフ。
超能力者であったが故に日本に来て、常に一番であり続けている。
だから、普段学校での私なんて、妬まれる対象以外何でもないわ。そりゃ面白くないわよね、突然ロシアから超能力者が来て、ずば抜けて頭が良いんだから。
でも、陰湿なイジメは全部潰してきたし、私と仲良くしようと思うやつなんか居なかったわ。だから、仲良くなったのって、アンタらが初めてよ」
「でも、ロシアになら仲のいい子はいたんじゃないの?」
「いないわよ。父様には相手にされず、母様からは成績が良くないとたくさん殴られた。近所の子らは、私に向かって没落貴族だと石を投げたわ」
「レイラ……ごめん、変な事聞いた」
「謝る必要なんてないわ。今は幸せだし、使命もある。アンタらのおかげで毎日が楽しいわ。
さ! 食べ終わったらまたお祭りを周るわよ! 手、また握ってよね。離れないように!」