複雑・ファジー小説
- Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照1500突破感謝!オリキャラ募集! ( No.171 )
- 日時: 2015/09/08 13:12
- 名前: ユッケ (ID: PGRsk35G)
■ロシアのとある没落貴族の話■
ロシア貴族としてレオンチェフは強い力を持っていた。そのうち戦争が始まると、武器と薬品の大事業で更に勢力を強めた。
しかし、時代と共にレオンチェフは衰えていった。主な要因は3つ。
1つ目は他国の技術力に圧されたから。
日本をはじめ、中国、アメリカの技術躍進は目を見張るものがあった。
2つ目は不運にもレオンチェフの事業に関する事件事故が相次いだ。
不祥事や事故、本当に不運なものであった。
3つ目は正統な後継者が女性であった事。
戦後生まれたレオンチェフの子は皆女だった。
この頃はまだ、女性社員や女性社長というものは仕事のしにくい環境にあった。
ゆえに誰も本気で着いて来る者がいなかったのだ。
みるみる内に衰退していき、レオンチェフは没落貴族となった。
そして、オリガ・レオンチェフと日本人、須賀野 京司(スガノ キョウジ)の間に子が生まれた。それがレイラである。
これは、ロシアの没落貴族の家に生まれ、最後の希望となった女の子の話である。
レイラは母様が大好きだ。
女性でありながら社長、その姿をかっこいいと思っているからだ。
だからレイラは母様についていこうと決めているのだ。
だからレイラはこんなもの何の苦でもない。
小学生の頃から様々な習い事をし、中学高校級の勉強を学校とは別でやっている。
母様のようになるには、この試練を乗り越えなければならない。
問題が解けなかった時の暴力も、ご飯が食べられなくても、暗闇の中に閉じ込められても、それが愛だと感じる事が出来た。
全ては愛だと……。
小学校のテストで満点を取った。
「お母様! 見てください! 満点を取りました!」
「偉いわね。じゃあ次は高校のテストで満点を見せて頂戴。家庭教師のミハイルに伝えておくわ」
誉められた! 頑張ろう! 高校のテストで満点を取れば、母様はもっと喜んでくれるわ!
「お父様! 見てください! 満点を取りました!」
「………………私は忙しいんだ。そんな暇があるなら勉強をしなさい」
お父様が私とお話をしてくれたわ! 今日はなんて素敵な日! いい成績を取ればきっともっとお話をしてくれるわ!
「…………レイラ、一度日本へ行くぞ」
「え?! お父様! 旅行なのですか?」
「違う。準備をしておきなさい」
その話を聞いて、オリガがレイラにちょっとした質問を投げかけた。
「レイラ、“原初”は知ってる?」
「はい、日本で最初に認められた超能力者です」
「原初はね、ロシア人と日本人のハーフって噂なの」
「じゃあ、私も原初のようになれるのですか?」
「それを確かめに、日本へ行くのよ」