複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照1500突破感謝!オリキャラ募集! ( No.178 )
日時: 2015/09/17 23:27
名前: ユッケ (ID: ySP8nr/s)

退く気なし! 神矢が三好の頭上の空間を切り裂く!

「うわっ! 何アレ!?」

(空間を引き裂いてるのよ! 気をつけなさい!)

通信でレイラが三好に危機を知らせる。

「レイラの能力で潰れろや!」

空間の裂け目から超重力が滝のように襲い掛かる!

「うわぁ!っと!」

なんとか範囲外まで逃げる。

「オイオイ、そんなんで逃げ続けてられんのか?ァア?」

「なんのこれしき!」

鉄骨が空中に浮き、神矢に向かって飛んで行く。

この能力は御影 鈴也の能力。

本来コントローラーが必要だが、それは能力を使い易くする為の物だ。

コントローラーという媒体を使う事で、動かすという動作をイメージし易くしている。

しかしそれが超能力者だとしたら話は別だ。

媒体が無くとも物質を動かせる。

「チィッ! いよいよ何だテメーの能力!」

大きな布を掴んで振り回すような動作で空間を掴み、捻じ曲げる。

空間を曲げる事で飛んできた鉄骨の軌道を逸らす。

超能力者同士の戦いは、常軌を逸する。

「これならどうだ!」

三好の体から真っ白な骨が突き出して形を成していく。

さっきよりは小さいが、腰の辺りから頭までの髑髏が出来上がる。

「さっきの髑髏か!」

「プラス!」

振り上げた髑髏の拳が燃え上がる。

緋色 赤菜の火炎能力である。

「そりゃあ俺も人間だからよぉ、驚いたりはするさ。だがな、俺に能力は通用しねぇ」

九十九 神矢は避けない。ただ目の前の空間が口を開ける。

髑髏の炎の拳が肘の辺りまでズッポリと飲み込まれる。

そして空間が勢い良く閉じ、髑髏の腕を喰らうように切断した。

「本当に能力が通用しないのか」

(空間に飲み込まれた能力は奴の物になるわ。火炎とか電撃とか重力は利用されちゃうわよ)

(レイラが苦戦したのも納得かも)

(うるさいわよ! 後で覚えてなさい!)

(動けそう?)

(まだ無理……意外にキツイわね。金縛りって)

レイラはまだ動けない。

三好も、神矢の鉄壁を崩せない。

いくら鉄骨を動かそうと、特殊骨格を使おうと、無情にも阻まれてしまう。

均衡状態が続く。

(く…! いったいどうすれば……)

「もういい……面倒だ!!」

神矢が三好を囲むように空間を切り裂く。そして切り裂かれた空間を更に捻じ曲げていく

網に掛かった魚のようだ。

出られない空間に閉じ込められ、その空間が徐々に狭まってくる!

「ヤバっ!」

「空間を通れるのは能力と物質液体気体。そして俺だ。お前じゃ空間は通れない。潰れて死んでしまえ!」

(三好っ!!)

捻れた空間が握り潰す様に三好を追い詰める。

「全身の骨を折って砕いて殺してやる!」

「キヒヒ……終わったね」

空間が潰れていく。

そこには人が入っていられる程のスペースは無い。

そして何事も無かったかのように空間が元に戻った。

そこに三好の姿は無かった。

「あぁそうか……死ねば人もただの物質か。そりゃ残らねぇよな、骨の欠片も」

(う……そ……いや……いやぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!)

金縛りで声が出せないレイラが呻きながら泣く。

目の前で、信頼のおける友人が1人殺され、跡形も無く消えたのだ。

「次はお前だ。殺人現場を見られてる。生かしちゃおかねぇ!」

(動いて…っ! 動いて体!!)

「今殺しちゃ駄目だよ。キヒヒヒヒヒ。まずはアジトに連れて帰ろう」

「チッ! 分かってるよ! だが、その前に完全に意識を奪っておく」

レイラの頭上に空間の裂け目が現れる。

残っている超重力をぶつけるつもりなのだ。

だが、裂け目から出て来たのは重力ではなく……。

「うわぁあああああ! …痛っ!」

出て来たというか……落ちてきた。

特殊骨格の鎧で覆われた三好 祐が。