複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照1500突破感謝!オリキャラ募集! ( No.181 )
日時: 2015/09/20 18:57
名前: ユッケ (ID: ySP8nr/s)

■Wolf Bite■



若くして能力犯罪特務捜査班の一員として活躍する彼、東雲 凛人は、狙った獲物は逃がさず、捕らえた犯罪者は数知れないと噂されている。

その灰色の髪とウルフヘアー、能力から付いた通り名が【ウルフバイト】

法の番犬、噛み殺す狩人に相応しい名である。

(このパイプ……まだ動いてるな)

凛人が捕まえた鉄パイプは、まだ手の中で動こうとしていた。

まるで生きているようだ。

「三代、このパイプ凍らしてくれ」

「ええ!」

三代が鉄パイプの半分を能力で凍らせる。

凛人は凍った部分を地面に叩きつけてパイプを砕いた。

すると鉄パイプはただの無機物へと戻った。

「まさか、ウルフバイトが来るとはな……分が悪い」

「お前が、キリエか」

「お初にお目にかかる、鷹東 キリエだ。以後よろしく、ウルフバイト」

「さて、お前には傷害罪の疑いが今かかった。ご同行願おうか」

「俺は忙しいのでな。御暇させてもらうよ」

「逃がすと……思うか?」

「逃げるね。お前は危険だ」

キリエが踵を返そうとした瞬間、視界に捉えていたはずの凛人の姿が消えた。

「!!」

「逃がさん!!」

消えた凛人が拳を構えてキリエの前に現れる。

「クッ!」

避けられないと判断したキリエは能力を発動する。

凛人がキリエのボディーに拳を入れる!

「っ!!」

しかし、キリエのボディーは、いや……キリエの着ている服が鋼のように堅く、凛人の拳から血が溢れた。

「危ねぇ……では、俺は失礼させてもらうぜっ!」

再び踵を返すキリエが、逃げる際に鉄パイプや木材、様々な廃材に触れる。

すると、凛人の追随を許さないとでも言う様に、凛人に向かって廃材が飛んで行く。

「…………」

向かってくる廃材。

目を瞑り、集中する……。

凛人が目を開き、能力を発動させる。

ウルフバイトと呼ばれる所以、その“超能力”を!!

飛んでくる廃材を掴んで他の廃材を弾く!

その動きを目で捉えられる者はいない。

彼の超能力、それは———

超思考加速!!

脳から送られる電気信号を何倍もの速さで伝達させる!

その為、彼の目に入ってくる景色は超スローに、そして自分の動きは加速される!

自分だけが何倍もの速さの世界で君臨する能力!

廃材を叩き落し、逃げるキリエの正面に回り込み、その顔面を殴りつける!

それが一瞬の出来事である!