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複雑・ファジー小説
- Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照2000突破感謝! ( No.211 )
- 日時: 2015/10/29 21:29
- 名前: ユッケ (ID: Pi8kpTE6)
「どうやら心当たりがおありのようだ。つまりそれが世界の仕組みなのさ。呪って呪われ、また呪う。世界は呪われているのさ」
腹の底から冷えてくる。
ドロリとした心に広がってくる感情は恐怖だ。
この世界に対しての恐怖。
「僕は……僕達はどうすれば呪いを解く事が出来ますか?」
「さぁね、私はヒント係だ。答えまでは知ったこっちゃない」
「ここまで来て?!」
「ここまでも、“底”まで来てもさ。呪いなんてものは自力解除が基本だろ? 死んだら解除なんてものもあるね」
「詐欺師みたいな言い草だ!」
「あー、あなたは呪われてますから始まって、あなたの努力次第ですで終わる感じだね」
「自力解除って……」
「漫画やゲームじゃないんだ。魔法の薬や退魔の鏡なんてこの世に存在しないのさ。もしあったなら売ってくれても構わないよ。それなりの値段で買い取ろう」
「せめてもう少しヒントを」
「呪いの仕組みについては教えてあげたんだ。最大のヒントだと思うがね。さて、話はここまでだ。後はキミ次第」
「腑に落ちないけど、タダだからいっか」
「タダより高いものはない。なーんてね」
占い師ことタマモさんは、最後にそんな不穏な言葉を残して去っていった。
この世は呪われていて、僕達は誰かに呪われてしまったらしい。
「そうだ、買い物」
当初の目的を忘れていた。
続きはお料理でもしながら考えよう。
占い師タマモは、孤独な少年と別れてからふと、疑問を口にした。
「意外な事を相談されたねぇ。自覚が無いのか、知らないのか……愛ってのは本当に呪いだねぇ〜」
そう、これは呪いの話。
だからはじめにしたのは
呪いの話。
もう呪われているという話。
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