複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照3000突破感謝! ( No.216 )
日時: 2015/11/19 19:44
名前: ユッケ (ID: V3dMOggM)

次に会った時……つまり明日、赤菜とどう話をしようか、そう考えながら家路に着く。

ドアの前で鍵を挿して回す…………。

あれ? 鍵を挿してまわ……す……。

驚くほどに手応えが無い。鍵が開いてる気がしない、というか鍵がすでに開いている。

ドアノブを回してそっとドアを開けてみる……開いた……。

「朝鍵を掛け忘れたのか? そんな事ないと思うけど」

恐る恐る中を覗いてみると、玄関には靴が3組あった。僕のじゃない……。

「誰か中にいる……」

ドアをそっと閉めて中に入る。

そして廊下を静かに足音を立てないように歩き、部屋のドアをまたそっと開けると……!

「遅いですね、あの僕っ子」

「あと10分で戻って来なかったら、この部屋を燃やしてやる」

「姉御、その時は手伝うッス!」

「何をやってますのん?」

部屋にいたのは、クミ、千香、小春ちゃんの3人だった。

「よし三好帰ったか! 飯を作れ! 今すぐに!」

「状況の説明が先だー!」

「ロックピックスキルにステ振りしているそこの胸無しヤンキーが先にお邪魔していましたので、クミさんも便乗してお邪魔しています」

ようするにピッキングで入ったのか!

普通なら怒るところだけど、もうそんな気力は無い。

「でも何でここにいるの?」

「言っただろ、情報は入れてやると。だから来たんだ。飯は報酬に受け取ってやる」

「絶対そっちがメインでしょ!」

「変な占い師に冷蔵庫が充実している今がチャンスだと言われたッス!」

変な占い師…………タマモさんか!!

何か仕事で出会ったんだな? あの人本当に何者なんだ……。

「私も少々ご報告したい事が。それと、独りで寂しい僕っ子の為に、食卓慰安婦として参上しました。クミさんマジGJ」

「食卓慰安婦って嫌な響きだー」

まぁ、今この状況で情報が手に入るのはありがたい。

「じゃあ先に報告と情報から聞こうか。報酬は後払いで」

「む……しょうがない」

「お茶出すよ。そうだ、クッキーはいかが? 少しは空腹も収まるでしょ?」

「お手伝いするッスー!」

「ありがとう小春ちゃん」

小春ちゃんも手伝ってくれて、人数分のお茶とクッキーがテーブルに置かれる。

「では、報告会を始めましょう」