複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照3000突破感謝! ( No.218 )
日時: 2015/12/04 22:51
名前: ユッケ (ID: lUcqHz23)

■それぞれの思惑■




今日が土曜日で本当に良かったと思う。

昨日の晩は全く眠る事が出来なかった。

4人もの女の子が居る部屋で、雑念を振り払っていたら朝になっていた。

眠たいし体中が痛い……ベッドは千香が使ったし、ソファはみよりが、押入れから出してきたタオルケット2枚を敷き布団掛け布団として小春ちゃんが使用し、クミはなぜか寝袋を用意していた。

僕は床で眠れない夜を過ごした。

「んでは、今日は最初に赤菜先輩を追っかけるわけですね!」

朝食のホットサンドを頬張りながら、ツインテールをピコピコさせるみより。

そう、今日はまず赤菜を説得して、次にレイラと合流して、音羽と鈴也君にも事情を説明する予定だ。

全員で溜り場に集まるのも良いかもしれない。

「私達はもう攻略済みですので、まだフラグも立っていない赤毛からイベントを進めるというわけですな」

「この状況をギャルゲに例えるのヤメテください」

「では、私達とはもう寝たので次は赤毛をベッドに誘うところから始め———」

「もっと駄目だから!! 朝から変な事言わない!!」

「昨晩はお楽しみでしたね。4人もの女の子に囲まれて寝てうへうへ言ってたじゃありませんか」

「ちょーーーー!! そんな事言ってないしーーー!!」

「オイ三好!!」

「はいなんでしょう千香さん! わたくしの身は潔白であります!」

「おかわり!」

「ッス!」

「……………………」

元気の源みよりと、悪魔の申し子クミと、暴食の蛇千香と、その子分小春ちゃん。そしてエプロン姿の僕……。

あれ? 一度解散する前からこうだったっけ?

千香と小春ちゃんのおかわりをお皿に乗せながら考える。

うん、こうだったかもしれない。今はそれで納得しよう。

「赤菜は1人で無茶しちゃう前にきちんと説得しなきゃ駄目だからさ。赤菜を先に捜しちゃおう」

「それなら電話すれば早いのでは? 先輩が電話しにくいなら、不肖宮本めが電話致しますゆえ」

「確かに、その方が確実か……大勢で家に押しかけてもなんだし、場所を指定して待ち合わせにしようか」

「それがいいですな。電話は兎に任せた方が素直に聞いてくれると思います。僕っ子は今、赤毛ポイント0ですから」

「そうしてくれると助かるよ。みより、頼めるかな?」

「うい! お任せください!」

「三好、おかわりだ!」

「ッス!」

「はいはい。ちょっと待っててね〜。デザートも一緒に出しちゃうから」

「こいつ完全に主夫じゃねーか! って写真付きでSNSにアップしていいですか?」

「いいわけありません!」