複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照3000突破感謝! ( No.228 )
日時: 2016/01/24 21:48
名前: ユッケ (ID: .JbKK/Zg)

「あなたが……王国のリーダー」

「へッ! キザッたくていけ好かねぇ野郎だ。今ここでぶっ倒しちまえばいいんだ」

「フフ、キミでは僕を倒す事は不可能だろうね。これでもリーダーなのでね、超能力者なんだよ僕は」

「んなこたァ想像ついてんだよ! 私達の怒りを……喰らいやがれッ!!」

「駄目だっ! ミク!」

「…………」

ミクが作り出し、王国リーダー剣に向かって放った特殊骨格の槍。しかし、槍は剣に届く前に先端からまるで蒸発するように消えていった。

「ん……だとォ……! このヤロォッッ!!」

ミクが特殊骨格で猛撃を放つが、全て蒸発するように消えた。前も後ろも左も右も上も下も全ての角度からの攻撃が消えた。

「このォ! このォォ!!」

「うるさいな……これでは三好君と話も出来ないじゃないか……消してしまおうか———」

その瞬間、ドォン! という轟音と共に、地面に亀裂が入った。

王国リーダー剣と土御門がいる地面は何とも無いが、ある範囲から亀裂が見える。

(バリアー……?)

三好は地面の亀裂を見て能力を予想する。

「レイラ・レオンチェフ……キミが来るとはね……」

「残念ながらあんたの計画は失敗よ。御影はこの通り、私が守ったわ」

「皆さん! 無事ですか?」

現れたのはレイラと鈴也。

「レイラ、どういう事?」

「王国は三好を従わせるために人質を取ろうとした。それは緋色だけじゃなく、御影もターゲットだったのよ。2人を強襲したってわけ、まさか2人も人質を取るなんて思わないでしょうからね」

「そんな事を……許さない……!」

「これはこれは、完全に嫌われてしまったようだね。仕方が無い、帰ろう錦」

「わかった。灯護はどうする?」

「彼なら問題ない。行こう」

「現人神 剣!!」

三好の声に剣が振り返る。

「キミの目的は……本当のところはどうなんだ!」

「三好君が言いたい事はよく解らないが、僕は能力者優位の社会を作りたいだけだよ。ではまたいずれ、キミはこの抗争からは決して逃れられない」

そう言うと、剣と土御門は再び歩き出した。

「レイラ、助かったよ。よくここが解ったね」

「クミが連絡くれてたのよ。ね?」

「はい、クミさんマジMVP。今度回ってない寿司でも奢るがいいです」

クミはいつの間にかミクと交代していた。

「よし! 赤菜を助けなきゃ!」

「そっちは問題無用ですよ三好さん。先程千香さんに連絡したところ、赤菜さんの救出は無事成功。皆さん無事だそうです」

「本当!? 良かった〜」

「これで奴らの計画は完全に潰れたってワケ、言った通りでしょ? ああ、それと、三好は千年と一緒じゃないの?」

「音羽? いや、赤菜と話をした後で皆を集めるつもりだったからまだ……」

「そうなの……家にも居なかったし、携帯も繋がらないのよね……」













〜〜〜〜〜剣と土御門 公園を後にして〜〜〜〜〜

「レイラが出てくるとは、意外だったね」

「あぁ、それに灯護からも連絡がない。おそらくしくじったんだろうな」

「バジリスクが相手じゃ仕方が無いさ。それに、“もう1人は簡単だからね”大丈夫さ」

「3人同時強襲……か、涼しい顔してエグい作戦考えやがる」

「予想を上回る計画を練らないと、キリエには勝てないからね」

「キリエか……そう言えばあの2人は大丈夫なのか? 俺は信用してないが」

「神矢と大地かい? 大地はともかく、神矢の破壊力は着実にキリエを追い詰めるよ」

「そうかい……」










〜〜〜〜〜神矢と大地とある廃ビルにて〜〜〜〜〜

「チッ! こいつらもダミーかよ」

部屋には刺青入りの不良達がバタバタと倒れている。

「キヒヒ、これで何個目だよ。グループ潰すの」

「うるせぇよ! あーイライラする!!」

「キリエがいつもやってる“掃除”を手伝わされてるって感じだけど? ちゃんと追い詰めてるのかなぁ? キヒヒ」

「そっちは問題ねぇだろ。……実際、向こうも動いてきてるしな」

途中から声のトーンを下げる。

それは百目鬼 大地も気付いていた。

姿の見えない何かが、自分達を見ている事に……。











〜〜〜〜〜千年 音羽〜〜〜〜〜

音羽は悩んでいた。これから自分達がどうなるのか解らず、学校でも三好と目を合わせることが出来ない程、どうしていいのか解らない。

そんなモヤモヤした気持ちに覆われ、堪らず外に出て散歩に出かけた。

(はぁ……皆どうしてるんだろ……)

音羽は知らない。赤菜の事も、三好達の事も、1人だけ状況を知らずにいる。

(あ……携帯忘れちゃった。まぁいいか、どうせすぐ戻るだろうし)

そんな音羽に近付く人影があった……。

「千年 音羽さん……だよね?」

「え? ……」