複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照3000突破感謝! ( No.237 )
日時: 2016/02/14 19:40
名前: ユッケ (ID: 3ib433J1)

久し振りに全員が揃った事もあって、夜遅くまで話し込んでしまった。

帰りはレイラが鈴也君とクミを送って行った。そして僕が音羽と赤菜、そしてみよりを送って行った。

今日は色んな事があったから疲れた。

もうすぐそこに見えている自分の住むアパートが近いようで遠い。

明日が日曜で本当に良かったと思う。

「帰ったらもうそのまま寝ちゃおう……ごはんも作れないや……うわっと!」

フラフラと歩いていると地面の小石に躓いて転んでしまった。

しかし、不思議と痛みは無い……というか誰かにぶつかって押し倒してしまったような……。

「…………どいて……」

「…………」

目に映ったのは金色の綺麗な瞳。黒い髪は長く艶やかで女の子らしく、まだ季節には早いと思うマフラーは、顔を隠したいという意味合いを感じた。

か、顔が近い……っ! というか僕が押し倒してしまっている!

「どいてくれと言っている……」

「あっ! ご、ごめんなさい!」

慌てて飛びのいて謝罪する。

「いや、私もキミからは“見えてなかった”だろうからそれはしょうがない」

「あ、あの……怪我とかしてませんか?」

「大丈夫だ。キミの方こそ大丈夫か? フラフラしていたが1人で帰れるか?」

「ええ、今日は色々とありまして、ああ、アパートはあそこなので大丈夫です」

「そうか……」

「あ、そうだ。僕、三好 祐です。もし怪我が後から分かったらこの番号に連絡ください。僕の携帯の番号です」

携帯の画面に映る僕の携帯の番号を見せる。

「……律儀だなキミは……私は静原 ナギサ(シズハラ ナギサ)だ。うん、キミの番号は登録しておいた」

凄く早い指捌きで番号を登録するナギサさん。まるで千香みたいだ。

「キミも私の番号を登録しておきたまえ。すまないな、その服似合っていると思うぞ」

そう言うとナギサさんは僕の電話を1コール鳴らして去って行った。

最後の言葉の意味は正直解らなかったが、すぐに解る事になる。

部屋に着き、お風呂に入ろうと脱衣所で服を脱いだときだ。

「……コレ……まさか……」

服の肩の辺りに薄っすらと赤いものがついている。

これはおそらく、血だ。

「これの事だったのか……倒れた僕が悪いし洗えば落ちるか。でも……怪我してないよな僕……ナギサさん、やっぱり怪我してたんじゃ……」