複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ ( No.24 )
日時: 2015/02/23 18:08
名前: ユッケ (ID: TzDM8OLf)

■今回の一件の後日談■





催眠の効果で更生した慎也さんは、警察の取り調べに積極的に応じている。

とはいえ、薬物に手を出したのは事実なので、当分は留置所から出られそうにはない。

真面目な人らしいから、素行が認められて案外早く出てくるかも。

パワーに関する事件はまだ終わっていない。

あれからバジリスクも現れない。「ここからは私の戦争だ」彼女はきっとあの闇の中で彼女なりの正義を貫いているのだろう。

先輩達とはたまに会う。今度紹介したい人がいるとか、なんとか…。

相変わらず、読めない人達だ。

音羽は、僕の事を祐と呼ぶようになった。いつからかは思い出せないけど、僕が音羽と呼ぶようになったからだという。

「こんなんじゃ足りないけど、せめてものお礼」

そう言って音羽は、あの公園でクレープを奢ってくれた。

僕は、いつも通り、あれから超能力は使っていない。

昔、この能力を多用して周りを傷つけたことを、音羽にもちゃんと話した。

「僕が超能力者だって事は、やっぱり秘密にしておいてほしい」

「うん、わかった! 約束する!」

僕は落ちこぼれでいい。

この能力に安易に頼るべきではないことはわかっている。

だから僕は無能力者として振る舞い、生活する。

こんな噂がある。

能力者が集う、東西南北中央の5つに区分される能力学区。
そして、能力者の中でも最も貴重で上級種に位置するのが超能力者。
日本でたった10人しかおらず、その存在自体が貴重である。
そんな超能力者の中に、たった一人






落ちこぼれの超能力者がいる。