複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照4000突破感謝! ( No.245 )
日時: 2016/03/07 03:02
名前: ユッケ (ID: 3ib433J1)

■空っぽ■



「何があったらくぁwsえdrftgyふじこlp;!!!!」

壮一郎が奇声を発しながら目の前で爆発している。壮一郎って言うのは……まぁ、説明しなくてもいいか……。ただのクラスメートだ。

「アレか! アレなのか!? 恋のAtoZか!? どこまでだ! どこまでやった! ZERO距離射撃のZまでかぁあああああ———ゲフッ!」

赤菜が暴走する壮一郎の頭を脳天から肘撃ちする。

「んなわきゃねぇだろ! なんだよZERO距離射撃って」

「んなもん×××に決まってんじ———イデデデデデデ!」

お、今度は関節だ。いいぞーもっとやれー。

「朝っぱらから何口走ってんだよこの変態!! ったく男って奴は」

「僕も男だけど、壮一郎みたいな人の方が珍しいと思うから安心して」

「え、祐って男だったの?」

「音羽ヒドイッ!!」

「今年の文化祭、三好はミスコン出場決定だからな」

「ちょっと聞いてないソレ!!」

ホームルームが始まる前の教室は騒がしく、少しでも日常が戻って来たのだという実感を得られた。というか視線とヒソヒソ話がグサグサ来てる。

僕と音羽と赤菜が何やら険悪なムードだったのは周知の事実であり、休み明けの月曜日、凄く仲良く教室で話してたらそりゃこうなる。

「とにかーく! これにて一件落着! 文化祭は大丈夫そうだな〜」

「まぁ、色々とありまして」

「え〜何なに〜? 色々って〜?」

キーンコーンカーンコーン

「フッ、命拾いしたようだな。だが次は無い! ファサァッ!」

安い悪役の様なセリフと、なぜかマントを翻すような仕草で自分の席に戻っていく壮一郎。

「さて、私達も席戻ろうぜ」

「そうだね赤菜ちゃん」

こうして僅かに戻って来た日常が始まっていく。

学校も授業も文化祭も楽しみだ。

こんな気持ちは久し振りかもしれない……誰より独りになりたかった僕が、今は誰とも離れたくない。

「祐……」

席に戻る前に、音羽が僕に耳打ちする。

「呪われた世界。やっつけようね」

「うん。必ず……!」