複雑・ファジー小説
- Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照4000突破感謝! ( No.246 )
- 日時: 2016/03/07 17:14
- 名前: ユッケ (ID: 3ib433J1)
学校が終わって放課後、音羽、赤菜と一緒に溜り場へ向かい皆と会う。
レイラの報告では、九十九 神矢はやはり登校していないらしい。
ナギサさんの件も、一旦保留になった。相手が透明なのでは仕方が無い。
もしかしたら、今も監視されているかもしれないのだ。警察への通報はしない方がいいだろうという事になった。
千香と小春ちゃんがキリエや王国について調べているが、進展はないようで、今日はそれだけで解散となった。
あまりにも実態が掴めない2つの勢力。
キリエ……彼はいったい何がしたいのか……。
王国……能力者優位の世界の実現……僕はコレに違和感を感じる。現人神 剣……彼の目的は……?
家に帰ってからもテレビをつけてニュースをボーっと眺めながら考える。
しかしいくら考えても、何も答えは出ない。情報が少なすぎる。解けないテスト問題を前に、時間が余っているから考えるフリをしているようなものだ。
寝てしまった方が有意義にすら感じる。
「〜〜〜っ! ダメダメ! いくら考えても、答えの出ないものは出ない! 気分転換、気分転換! 晩御飯作ろう! よし、そうしよう!」
冷蔵庫を開けて食材を眺めながら献立を考える。
「鱈の切り身はフリットにして、紫玉葱は他の野菜と一緒にマリネにしようか……おや?」
そうやって冷蔵庫の中身とにらめっこしていると、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。
おおよそ何かの勧誘なのだろうと、玄関まで行き覗き穴を覗く。
「え? ナギサさん?」
ドアの向こう側にいたのはナギサさんだった。意外な訪問者に驚きつつも、とにかくドアのロックを外して開ける。
「……こんばんわ」
「こ、こんばんわ。ナギサさん。今日はどうし———」
「話がある。上がってもいいか?」
「う、うん。構わないけど」
「そうか、お邪魔する」
そう言ってナギサさんが部屋に上がりこむ。
「冷蔵庫、開きっぱなしだぞ」
ナギサさんが開きっぱなしの冷蔵庫を指差して言う。
「ああ、晩御飯作ろうと思ってね。僕晩御飯まだなんだけど、ナギサさんは?」
「私もまだだ」
「そっか、じゃあ食べてく? そうだ、嫌いな物とかってある?」
「特に無い。……いいのか?」
「構わないよ。料理作るの好きなんだ」
冷蔵庫から食材を出しながら応える。
メニューはさっき考えてたやつで大丈夫かな。
「適当にソファに座ってて、テレビのリモコンはテーブルの上にあるから、出来上がるまで適当にテレビでも見てて。パパッと作っちゃうから」