複雑・ファジー小説
- Re: 超能力者の落ちこぼれ 参照4000突破感謝! ( No.249 )
- 日時: 2016/03/21 17:24
- 名前: ユッケ (ID: 3ib433J1)
■動き始めた因縁■
ナギサさんが情報を集めに出てから3日が経った。その間に皆にはナギサさんの事を説明をしたが、音羽はやっぱり納得していないようだ。
僕らはいつもの溜り場で集まって今日も考えている。王国をどう倒すか……話し合いで解決できればそれが1番いい。だけど、相手の行動からしてそれはおそらく望めないだろう。だからこそ、戦闘になってしまった時、能力が割れている数人だけでも対策を練っておかないと苦戦するだろうとこうやって作戦会議を開いているわけだ。
「厄介なのは霊能者のアイツね。こっちの能力をすり抜けてくるし、実際私も金縛りを喰らったけど、ホント動けなかったわ」
レイラは幽触(ゴーストタッチ)を本人からではないが受けている。九十九 神矢が奥の手で隠し持っていたらしい。
「土御門 錦はまさに異能だよ。能力としての基盤が違うって言うのかな……対策がしづらいな」
「影キャラについては赤毛と兎をぶつけて、2位には銀髪の物量でキャパシティオーバー狙えますからね。2位の相方はペッタンコヤンキーが上位でしょうから完全無力化。そうなると陰陽師マジ厄介。ミクで挑んだら今度こそ成仏します南無阿弥 妖! チェケ! 深夜徘徊 心霊怪怪」
「プラチナブロンドだっつの!」
「Aはあると何度も……っ!」
「姉御! いつもの! いつものッスから抑えて」
「多分こはるんの方が、将来有望。コレ世界の理」
「マジッスか!? 姉御、ナイスバデー頂きますッス!」
「勝手に成長しろっ! クッソ〜!」
「み、宮本は怖い話とか苦手ですよぅ……幽霊には勝てません……ブルブル」
「わ、私も怖いのは嫌かも……」
音羽とみよりがお互いに抱き合って震えている。怖がりコンビに土御門 錦は天敵だな……。
「ですから皆さん、幽霊なんて存在しませんから、そういう風に見せかけた何かしらのトリックがある筈なんです。そこを見抜けば対策なんていくらでも立てられます」
「鈴也らしい意見だけどよ。実際どうなんだよレイラ先生は」
「なんとも言えないわね。私じゃ解明しようがないし、それは御影も同じ。そもそも霊能が本当にあったとして、そんな専門家は知らない」
「そうだよな〜、霊能力の専門家なんて知らねーし、本当にあるのかどうかも解らないモノだもんな〜。実際に専門家がいたとして、話を聞いても鵜呑みには出来ねぇだろうし……な、祐…………どうしたよ?」
霊能力者……専門家……あれ? 僕ってそんな人を1人知っているような気がする……。
「どうしたの? 祐?」
音羽が心配そうに覗き込む。
「そうだ……1人知ってるよ! 霊能かどうか解らないけど、専門家っぽい人!!」
「それって大丈夫なの? 全部憶測で固められてるんだけど……」
「ああ、うん。自称占い師さんだから」
「オイ三好……それってまさかアイツか……?」
そうだ、千香はその人から仕事を請けた事があったんだった。
「うん、タマモさん。彼女なら何か知ってそうじゃない?」
「手掛かりがある事は良い事です。いえ、決してクミさんの知的好奇心ではなく、興味が湧いてるわけでもなく、急ぎましょう」
「興味深々じゃねーか!」
「占いなんてまた非科学的な。統計学とコールドリーディング、ホットリーディングの合わせ技ですよ」
「まぁまぁ、それでもいいじゃん。タマモさんが何処にいるのか解らないから、気分転換がてら、散歩気分でちょっと捜してみようよ」
溜り場を後にし、ゾロゾロと街へと繰り出していく僕達。
タマモさんがいそうな場所を僕と千香で相談しながら歩く。
彼女は自分をヒント係だと言い、村人Aとも言った。
もしかしたら案外その辺にいたりしてね。なーんて。
「おやおや、坊やじゃないか。腹ペコ少女も。捜し物かい? いや、捜し人だねぇ。……へ〜、そんなに私に会いたかったのかい? 若い子に好かれるなんて、お姉さん嬉しいね〜」
奇妙な柄の和服、頭にはかんざし、アイラインシャドウと艶やかな赤い口紅、キツネが化けたらきっとこんな感じなんだろうなと思うようなこの人こそ、自称占い師タマモさんだ。
「なんでいるんですか……」
いや、ほんと、案外その辺にいましたよ!
「キミが捜したからじゃないか。さて、では占おうか? 大した事じゃなさそうだし、安くしとくよ」