複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ ( No.32 )
日時: 2015/02/27 21:57
名前: ユッケ (ID: s7P63baJ)

「フーン、宮本が噂の…なるほど、納得ね」

確かに筋が通る。超能力者でありながら能力を使いこなせずに、実力が強能力者になっている…。

ずっと自分の事だと思ってた……は、恥ずかしい…。

「でもさ、落ちこぼれとはいえ、超能力者だぜ? チビっこいのにやるな〜、みより! それに、レイラだって超能力者だろ? アタシ超能力者って初めて見たぜ! しかも二人も! ラッキーじゃね?」

「三人…でしょ? そうよね? 三好」

レイラの視線がなんとなく鋭く感じる。

刃物を突き付けられているような……そんな感じ…。

「まぁ、バレてるなら、隠してても仕方ないよね。うん、僕も超能力者なんだ」

「超能力者が三人、この公園はパワースポットだぜ…へっへっへ」

クミが何かの儀式のような踊りを踊る。宮本ちゃんも釣られて踊ってる…なんだこれ。

「日本にいると言われる超能力者の約三分の一が偶然集まったってのかよ! アタシも踊っとこうかな?」

「ホントに悪魔か何か召喚されると、手が付けられないのでヤメテいただけますか?」

「じょ、冗談だぜ! ハハハ…」

「とにもかくにも、もう遅いし、帰らないと……宮本ちゃんとクミは家はどこ?」

「うい! 宮本は南能力学区であります!」

「クミさんは北です」

「じゃあ、一乗寺は私が送っていくわ。アンタたちは宮本を送って行ってあげなさい」

「分かったよ。でも、レイラは送っていかなくて———」

「いいわよ、私、三好より強いし誰が襲ってこようが容赦しないわ。さ、行くわよ」

そう言ってクミを連れてさっさと行ってしまった。

誰がこようが容赦しない……か、僕はずっと能力を使わずにいた。

正直、能力を使うかどうか、まだ迷っている。

もしまた今日みたいに誰かが危険な目にあったら、僕は……。

「さて! 宮本送っていこうぜ!」

バシッと背中を叩かれて我に返る。

「うん、そうだね。じゃあ行こう」

「うい! 先輩方、よろしくお願いいたします!」