複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ(オリキャラ&コメント募集) ( No.57 )
日時: 2015/03/12 02:51
名前: ユッケ (ID: 7POxSCHv)

クミの顔、クミの声…だけど違う!

目の前の彼女は別人!

目の当たりにするとビックリしてしまう。でも、もっと別の驚きを隠さずにはいられない!

「何で……能力が“別”だ!」

そう、能力が別!

クミの能力は“人格を1つ作り出す”能力。ならば、人格が入れ替わったとしても彼女の能力は同じのはず!

そのバランスが、能力階級が違ってしまったから、強能力と大能力という差が、彼女の力を強くしたのではないのか。

「さァなァ! 何でかなんて知った事じゃねぇけどよォ、コレって凄くね? 二重能力(デュアルスキル)だぜェ? 奇跡だろ!」

能力発現にはまだまだ謎が多いけど、二つの能力が発現することは絶対に無いとされている。

実際に二つの能力を持つ人間は存在しない。

しないのだけど…まさか、存在した?! クミがそうだっていうのか!

「てかよォ、いつまでブルってんだァ? 早くかかって来いよォ!」

「くっ! ファイト一発!」

圧し掛かる骨を手で押しのけて立ち上がる。

とても冷たくてゾッとするが、これは能力だと割り切る。

巨大な骨だったが持ち上げてみると何のことは無い、とても軽い。

見た目からしても驚くほど軽い。実際骨って軽いからね。

「私の能力は言わば“特殊骨格”。通常の骨より硬く軽い。そして、私の体に触れてさえいれば、どこからでも作り出せる!!」

彼女が突き出した右拳から、先の鋭く尖った骨が勢いよく伸びてくる!

「うわぁっ!」

咄嗟に避けた! 刺さればジ・エンド! 貫通必死!

「キヒヒッ! 次! 次ィ!」

腕の形! 刀の形! 鎌の形! 槍の形! 右から! 左から! 上から! 正面から! 休み無く攻撃してくる!

そして、作り出した骨は砕けて消える。初めから存在しないかのように跡形も無く消える。

「どうしたよォ! 逃げてばっかりかァ! まさか、無能力者なのかァ?」

しまった! 忘れてた! ずっと能力を使わずに過ごしていたから、すっかり忘れてた!

一回触ってるから条件はクリアしてる。

使えるはずだ! 彼女の特殊骨格の能力を、“超能力”として!

何の為にクミが僕を頼ったと思ってるんだ! 超能力者だからだ!

決めたじゃないか! 意味のある使い方をするって!

クミを助ける為、僕自身を守る為、使わなきゃいけない!

「意味のある使い方のはずだ……使わなきゃ勝てない……そうだ…そう……」

「何ぶつぶつ言ってんだァ? 念仏かァ? なら殺してやるよォ!」

彼女の左右の肩から巨大な腕の骨格が出てくる! まるで翼!

「重さはねぇが硬さは一級! 握り潰してやるよォ!!」

挟み撃ち! 僕に向かって押し寄せる死神の手!

「キヒヒッ! 潰れろォ! 無能力者ァ!!」

ガッシリと握り込まれる骨の手—————————が! 弾け! 砕ける!

「なッ!? なぜだッ!?」

「ハハハ、ビックリしちゃうよね? 普段は無能力者、でも本当は能力者、その名も!」

バシッと決めポーズ! Vサインで!

「僕っ子超能力者! 三好 祐!」

しかも格好は特殊骨格で作った鎧。西洋の騎士のイメージ! 顔まですっぽり!

「わ、私と同じ能力だとォ!!」

「そうだよ、でもキミに勝ち目ないと思うな。だって僕……超能力者だからさ」

「なッ———んだとォオオオオオオオオオ!?」