複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ(オリキャラ&コメント募集) ( No.67 )
日時: 2015/03/19 16:47
名前: ユッケ (ID: OJkPnYHE)

意識を深く……深く落として行きます。

心の奥に入って行きます。

その中でミクを捜します……ミクの存在を捜します。

心の奥底で彼女の存在を強く感じるようになりました。

きっとこの辺りに……。

見渡すと目の前にドアが現れました。

この中にミクが……!

ノックをする余裕もなくドアを開けました。

「うわァ!? お、お前……」

中には私と同じ顔の彼女がいました。

「ミク……! ミクーーー!!」

私は泣きながらミクに抱き着きました。

「ごめんなさいっ! ごめんなさいっ!」

泣きながら謝りました。

「…………もういいんだよ。私も、悪かった。ごめんな」

「いいえ、私がっ……弱かったから……あなたを傷付けて」

「お前の弱さは私が請け負うさ、あのバカに救われたし、クミもこうして来てくれたしな」

「はい、三好さんのおかげです」

三好さんが私達を助けてくれたことを簡単にだけど、ミクに伝えました。

「そっか…アイツが助けてくれたのか……アイツがお前を助けたように、今度は私が、クミを助けるよ。
困ったら私を使え、私を能力として使え。いいな?」

「はい、ありがとうございます。ミク…優しいですね」

「その優しさも、元はお前のもんだ。お前も優しいんだよ。立派に可愛い女の子さ」

「今日はクミさん可愛い日ですか? 何か沢山言われます……あ…!」

体が消えて行くのを感じます。

足の方から消えて行く……超能力者としてのリミット……10分って早いですね。

「さ! もう行け!」

「ミク…ありがとう! ありがとう!」

「クミ…おう! 私こそ、ありがとな!」










スッと体の感覚が戻ってきました。

目を開くと、薄っすらとオレンジになった空が広がっていました。

「クミ? 話出来た?」

心配そうに三好さんが覗き込んできました。どうやらベンチに横になっているようです。

「三好……さん?」

起き上がって三好さんを見ます。

すると三好さんは笑顔で言いました。

「おかえり。2回目だね」

「三好さんっ!」

思わず抱き付いてしまいました。

でも、今はこうしていたかったのです。

人の温もり、心の温もり、三好さんやクミ…あと別人格さんに教えてもらった温もり。

「ありがとうっ! 三好さんっ! ありがとうっ!」

「うん、上手くいって良かった」

私は芽生えた温もりを心の奥底から感じて、泣きました。

三好さんはただ黙って、私の涙を、その胸に受け止め続けてくれました。

私が泣き止むまで……ずっと……。