複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ ( No.7 )
日時: 2015/02/19 01:28
名前: ユッケ (ID: WdWwmA38)

ゴールデンウィーク初日とあって、街は人でいっぱいだ。

「お兄ちゃん、どこにいるんだろう?こんなに人がいるんじゃ見つけらんないよ…」

「いや、これはチャンスだよ! そういえば、お兄さんの名前聞いてなかったね。なんて名前?」

「名前は慎也。東能力学区の東鳳大学に通ってる1年生で、身長は175、右の手の甲に火傷の痕があるの。それと……お兄ちゃん“無能力者”なの」

「分かった。それだけ情報があれば、大丈夫そう」

「え? ほんと?」

これだけ人がいるんだ。人は情報。手掛かりはきっとある! 今聞いた千年さんのお兄さん、慎也さんの情報は充分だ。この情報を元に色んな人に尋ねていけばきっと見つけられる!

「いざとなったら僕の出番かな? 対象を目で捉えていれば、“検索”かけられるから、東鳳大学生を捜せば一番早いかもね」

「大学には…いないわよねぇ。ゴールデンウィークだし、私も東鳳大学生の知り合いはいないなぁ。でも、知り合いの知り合いならいるかも! 連絡してみるね!」

「じゃあ、先輩チームは知り合いをあたって下さい。僕達は足で捜します!」

「分かったわ。はいこれ、私の連絡先」

「あ、はい、ありがとうございます」

名刺だった。超びびった。もしかしてどこかの財閥のご令嬢?そういえば三代目って言ってた。……マフィア!?!?

「じゃあ先輩!よろしくお願いします! ほら行くよ三好君!」

引きずられながら街の雑踏に消えていく。僕達は足で、先輩達は人脈で、慎也さんを捜す。

「じゃあ行きますか、三代目」

「ええ、ロック。慎也さん、ヤバイことに巻き込まれてなければいいけど…」

「無理でしょう、噂ではバジリスクが血眼で出所を探ってるみたいですし」

「……早く慎也さんを見つけましょう! 時間はないわ!」