複雑・ファジー小説
- Re: 超能力者の落ちこぼれ(500参照突破感謝!) ( No.74 )
- 日時: 2015/03/22 12:59
- 名前: ユッケ (ID: qeFyKwYg)
■シノノメグループ■
気持ちのいいほどに晴れ。
僕と音羽とみよりは、晴れた空の南能力学区を目的地目指して歩いていた。
「宮本はワクワクが止まらないであります! もうどうにも止まらないってやつですよ!」
僕らのチビうさは今日も跳ねる。そしてピコピコ。
「凄く昔の知ってるね、みより」
「昔なのでありますか?」
「みよりちゃん、可愛いぃぃ。多分テレビか何かで聞いたであろうフレーズを本当はよく知らないけど、なんとなーくニュアンスで使ってみようって背伸びしてみるその姿が可愛いよ!」
「音羽先輩に誉められたであります!」
「いや、誉めてるの? 誉めてるのかな?」
「可愛いは正義だよ!」
キャイキャイと、じゃれてはしゃぐ音羽とみより。
最近分かった、音羽は可愛いものに目がない。
僕らの妹分、チビうさ、元気の源、宮本 みよりは音羽の言う“可愛い”にドストライクなのだそうな。
故に抱き付いたり頬をスリスリしたり、みよりは大人気である。
……気持ちは分かるけどね、後輩だし相手は女の子、最近やっとクミから呼ばれるあだ名が、セクハラ超能力者から僕っ子超能力者に戻りつつある。
みよりに触れるのはご法度! 見て癒されよう! みよりが驚きますので、ガラスケースを叩くのはやめましょう!
「みよりちゃん小っちゃーい! 小さくて可愛いー!」
「ひえー! 音羽先輩そこ触っちゃダメですよー!」
ぐっはぁ! 音羽がみよりの胸触ったーーー!
ここは注意すべきか?! 音羽を止めるべきか?! いや、それはそれで何か変に意識してるみたいでダメだ!
ここは……奥の手を使う……!!
「せ、せんぱ〜い! 祐せんぱ〜い! 宮本はもうお嫁にいけないかもしれません……あれ? 先輩?」
「PならばQが成り立つ時、PはQであるための十分条件でQはPであるための必要条件といえます。PならばQとQならばPの両方ともが成り立つ時は……」
「考え事かな? 難しそうなこと言ってるね」
「宮本にはさっぱりであります」
そうこうしている内に、目的地にたどり着いた。
今日は赤菜が出るダンスイベントの開催日なのだ!
みよりも赤菜からチケットを貰っており、無料で観戦できる。
「赤菜のダンス、楽しみだね」
「ですです! 宮本もフルパワーで応援しますよ!」
「赤菜ちゃん、練習頑張ってたもんね! きっと凄くカッコイイダンス見せてくれると思うな! それにしても、ミニイベントって聞いてたけど、会場も思ってたよりは広いし、人も多いね」
確かに、ステージは屋内ではなく野外だし、ミニイベントにしては規模が大きい気がする。
「あそこでチケット渡すみたいだよ。もう会場入っちゃおうっか」
「うん、そうだね」
「ワクワク!」
三人で会場の前にいるスタッフのお姉さんにチケットを渡す。
「はい、確かに受け取りました。それじゃあ楽しんでいってね! 三好君、音羽ちゃん」
あれ? なんで名前知ってるんだろう? スタッフのお姉さんの顔をよく見てみる。
「東雲先輩だ!」
音羽が驚いたように声をあげる。
いや、僕も驚いた。
みよりだけは、「え? 誰でありますか?」とオドオドしている。
「はじめまして、三好君や音羽ちゃんの先輩の、東雲 三代です。ミヨちゃんって呼んでもいいからね?」
「は、ははははじめまして! みみっ宮本 みよりであります! 三代大先輩! な、なんだか大人な雰囲気であります…」
ああ、みより、みよりはそのままでいいんだよ。
大きくない方が僕はいいと思うんだ……。
いやいや、そんなことより!
「先輩、バイトですか?」
「ふふ、私はバイトでありお手伝いであり、主催者なので〜す」
「「「主催者?!」」」
三人が驚く衝撃の一言だった。
「このイベント、シノノメグループが主催なの。企画考案は私ね」