複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ(500参照突破感謝!) ( No.90 )
日時: 2015/04/01 03:54
名前: ユッケ (ID: Me0ud1Kf)

夕日が徐々に落ちて行く……もうすぐ夜だ。

帰ったら一応東雲先輩に連絡しておかないと、絶賛家出中の鈴也君は東雲家で預かっている事になっているらしいから、きっと心配する。

そうこう考えている内に部屋の前まで帰ってきた。

「ただいま————うわぁ!?」

「祐ーーー! どうしよーーー!」

部屋のドアを開けるなり、音羽が涙目で飛びついてきた。

「ど、どうしたの!?」

「電話がーーー! もの凄い勢いで電話がかかって来るのーーー!!」

そういえば、部屋の中で誰かの携帯がなっている。

「誰からかかってきてるのさ、っていうか自分の携帯でしょ? 出てみればいいじゃん」

「私の携帯じゃないの! バジリスクちゃんの携帯なの!」

「え!? バジリスクの!?」

僕が部屋を出て暫く経った頃、急に誰かの携帯が鳴り始めて、探したらバジリスクの衣服の中から携帯端末が出てきたらしい。

それから鬼のような電話がかかってきているようで、今も携帯が鳴りっ放しである。

「どどど、どうしよう!? 怖い人からだったら嫌だよーー!」

「音羽落ち着いて、僕が出るよ」

そう言って鳴り続けている携帯を手に取り、画面に表示されている通話アイコンを押す。

「姉御ぉおおおおおおおおおお!! 無事ッスか! 何で電話出なかったッスか! お怪我は無いッスか! 姉御! 返事して下さいッス!!」

女の子の声……おそらく、バジリスクの仲間だろう。

「もしもし、キミの言う姉御ってバジリスクさんで合ってるかな?」

「な!? アンタ誰ッスか! 姉御に何かしたらただじゃおかないッスよ! ガルルルルルルルルル!」

「いや、何もしてないから…とりあえず、今から言う場所まで来て」

というわけで、電話の向こうの方には急いでこちらに来てもらうことになった。

バジリスクの仲間っぽかったから、これでひとまず安心かな?

さて、今度は電話をかけなくちゃ。

自分の携帯を取り出して東雲先輩へコール。

「あら三好君。こんばんわ。珍しいわね、三好君から電話なんて」

「先輩、こんばんわ。今日、街で偶然鈴也君に会いまして、鈴也君、今日は僕の家にお泊りしますので、心配しないでください…というご連絡です」

「あら、そうなの? でも明日学校はどうするのかしら? 東能力学区からじゃ、西能力学区に行くのは大変よ?」

「あー……まぁ、その……とりあえず! 心配御無用ですので! それではっ!」

電話を切ってから膝を折り、頭を抱える。

毎度のことながら詰めが甘い!

音羽が僕の肩に手をポンと置いて言う。

「サボタージュ」

「しよっか……」

僕も音羽も鈴也君も、明日は学校サボリです!